【開けないLINE】
早い内に携帯を持った
周りが持つより早かった
今で言うガラケー
それでもその当時では画期的なアイテムだった
次第に通信手段は通話からメールになった
今のように機能やアプリがある訳でなく
ちょくちょく見るものでは無いが
彼女や友人達から頻繁に来るメールに対応するため
こまめに見るようにしてたと思う
「今、何してる?」
「明日、遊ぼう」
「集合しない?」
「今から〇〇〇行こ~ぜ」
「飲み行こう」
「〇〇〇で〇〇と飲んでる」
「今から行く」
割とタイムリーな会話が行き来してた
そしてLINEが登場した
確かその当初も返すスピードを求められる風潮だったと思う
スマホになり画面を眺めるタイミングも増えた
動画しかりゲームしかり天気に情報や買い物まで
他の何かしてても画面の上に
ぴょこんとLINEの通知が表示される
返事が遅れて
相手を不快にさせる事もない
相手に伝わった事も確認出来る
ところが最近
後輩達と話をしてると
〇〇さんは返信が異常に早く
こちらの返信が遅れると催促が来る
と困り顔
その〇〇さんは俺よりは若い
さすがに催促はしないが
俺も目に止まればすぐに確認し返信する
特に相手にスピードを求める事はないが
これはもしかすると
スピード=礼儀
では無くなってるのではないか
俺も不快を振り撒いてるのではないか
そしてLINEには既読も表示される
そう思うとオジサンは最近
LINEをなかなか開けないでいたりする
【不完全な僕】
僕は完全とはほど遠いけど
そもそも完全な人を見た事がない
尊敬に値する人は沢山いるし
完全風もたくさん見かけるけどね
少なからず
完全風にあまり魅力を感じない僕にとっては
不完全なままの僕や君でいいと思う
【香水】
自身もまわりも含めて
あまり馴染みがないから
それにまつわる記憶もあまり無い
香味野菜はだいたい好き
でも
一番記憶にあるのは
魚の酒蒸しを作った時に
香り付けに使おうと刻んだ
柚子の皮
トントン刻む度に広がる香りに
仕上がりの成功を確信した
味しなかったけど
【言葉はいらない、ただ・・・】
息を飲み
目を見開き
立ち尽くす
忘れかけてた息をようやく吐き出す頃に
身体を巡る幸福感
そんな景色にたまに出会う
山だったり
海だったり
お店だったり
最近は情報が多く
事前にある程度の事は分かるし失敗も少ない
行ったことのない場所や付近の情報も知ることが出来る
だけど
よく知らないまま行った所
何とな~く立ち寄ったお店
偶然見つけた場所
たまたま手に取った本
そんな出会いが懐かしくなり
また~にフラフラしてみたりすると
わりと小さな事にも喜べたりする
【突然の君の訪問。】
・・・
・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・無い
強いて言うなら
自室で彼女とイチャコラしてた時に
突然ドアを開けた親父か・・・