【君の奏でる音楽】
小中の同級生
オカはいつの頃からか
ギターを弾くようになり
遊びに行くと
俺の知らない音楽を色々と聞かせてくれ
たまにギターの弾き方を教えてくれたりもした
テレビで見るギタリストは
こんな事を手元も見ずにやってるのかと舌を巻いた
ま、俺が天才的に不器用だった事実もあるけど
高校は違う学校(頭もオカの方が良かった)になったが
オカは変わらずフラリと家に現れたり
オカのバンドのライブに行ったりしてた
ある時のライブでオカは他のバンドに助っ人として
ベースで参加しており
ギター弾けりゃベースも弾けるもんなの?
と客席で驚いたが
直後、割と年配のギターの人が
笑顔で物凄いソロ演奏をして
さらに驚かされた
何とか奏法らしいが
目まぐるしく変わる音と
もはや目で追えない指先に
目をまん丸くさせていると
ステージの上からオカがこちらを見て
な?みたいな顔してたのを覚えてる
また別のライブに行った時
少し早めに着いて
彼女と周辺を歩いてた時
会場の裏で女の子2人と話してるオカの姿を見つけた
近くに行こうとした時
女の子の1人が
大声を出しながら
オカにフルスイングのビンタをした
よく見るともう1人の女の子は泣いてるようだった
う~ん
これは見ない方がいいだろう
彼女と回れ右をして
飲み物を買いに行った
少ししてライブが始まり
ステージに出てきたオカの顔は暗く
赤く腫れていた
その日初めて
オカの弾くギターから
悲しい音が聞こえた
【麦わら帽子】
使うようになったのは
ある程度大人になってから
幼稚園の頃は被ってたかなぁ
小学校の頃は野球帽だったし
その後もキャップばっかりだった
そもそもその当時は
麦わら帽子ってのは気恥しさもあったように思う
海に向かう時
久々に被った麦わら帽子は
思った以上に快適で
何より楽しい夏気分を後押ししてくれた
その当時は被ってなかったはずだけど
少年の頃に戻るような気分だ
思い出達も蘇る
麦わら帽子で駆け回った夏休み(被ってない)
近所の酒屋さんで買うアイスクリーム
盆踊りに花火
カブトムシ採取(やってない、虫苦手)
ソフトボール大会
ラジオ体操
川遊び(泳げない)
スイカ割り
駄菓子屋さんのあんまり冷えてないジュース
ちょいちょい
やってない事まで思い出す高性能
麦わら帽子の材料がヤバい物なのでなければ
熱中症の手前に違いない
麦茶、麦茶
【終点】
前に思ったのは
物事だったり
事象だったり
時には対人関係だったり
あらゆる事柄における各終着点
これはここまでやるだとか
これはここで終わらせる
ここで終わっちゃいそう
ここまでは終われないなんて事もあったと思う
今思うのは
うっすら見えてきた
それら全ての終着点
永遠とすら思ってた時間も
もう半分は過ぎただろう
いつ終わるともしれない有限な時間に
あとどれだけの事を経験し
どれだけの事を詰め込めるのか
優先順位と取捨選択
慎重に
迅速に
【上手くいかなくたっていい】
そもそも
上手くいく事の方が少ない気がする
色んなことがひっ迫していたある時
100点は目指すけれど
とれたらいいなで
7~80点とれたら上等
100点じゃなきゃダメと思わない
それじゃダメな時もあるのは分かるが
それで動けなくなるくらいならと
開き直る事にした
上手くいかなくたっていい
そう思ってからの方が
案外上手くいってたりする
【蝶よ花よ】
そんな育て方はされた事ないが
そうしたい事はあるな
ど~やら俺は
幸せ者らしい