『あなたは誰』

優しい優しい夢。
穏やかな白檀の香りを纏って、
頭を撫でてくれる暖かい手。
木漏れ日による逆光でお顔の見えない

優しいあなたは―

『手紙の行方』

1つ目は枕の下。2つ目はカーテンで3つ目は洗面台。
いくつも出てくる緑色の薔薇の絵が書かれたメッセージカードをしかけた犯人は、ダイニングテーブルに腰掛けてこちらを見ながらくすくすと笑っている可愛い可愛い、私の子。10枚目には
｢お母さん、お誕生日おめでとう！きっとあと1枚お母さんが探していないところがあるよ！頑張って！｣
という文字が。

さて、あと1枚の手紙の行方は――

『そっと伝えたい』

ふと、感情が溢れた。
きらきらとした、どろどろとした、そんなそれを受け入れてくれるだなんて、受け入れてもらおうだなんて思わないけれど。
少しでも知っていて欲しくて、少しでも伝えたくて。

――果たして分かりにくいところに置いた小さなカードは、君に見つけて貰えただろうか。

『日常』

　朝起きて、太陽をあびながら新しい服に着替えて
顔を洗うために水に触れる。
外を歩く時に風を感じて電車に乗って人へ些細な気配りをしながら仕事に就く。
　仕事は大変だけど、合間に景色を眺めたり、ご飯を食べて、もう少し頑張って仕事を終える。
　帰りは暗くなった、行きとは少し変わった景色の変化を楽しみながら帰って、ご飯を食べて、ゆっくりお風呂で温まってから好きなことをして寝る。

こんな同じような毎日の繰り返しでも、この日常を楽しめたなら、それはとても幸福である。

『刹那』

四月ももう終わりが近い。

桜も刹那の間に散り、

気がつけば五月はすぐそば。



夏が来る。

暑くも輝く、最高の夏が。