洗面所の暗がりに揺れる
心臓の音が寄せては返す
洗濯機がぼこぼこ震える
触れる足音に耳を欹て
意味無く呼吸を消費する
喉元は詰まるわ視界は霞むわ散々だ
機能しない目を目蓋で覆う
疲れたと思う
それを話してだとか言われる
無責任だよね、出来ない理由も知ってるだろうに
それを希う自分も無責任かな
でも本当は、期待したんだ
どっかの誰かが救ってくれる、愉快な空想を
勿論そのように身勝手な噺が存在しないのは自明であるが
それでも、足元の本音を、
条件反射で繕った顔を、声を、
少し零した答えの鍵を、
知って欲しくなかったとは、言えないなぁ
まぁ、ごめん嘘なんだけど
頭上が熔けた
ただ見た
あんら、またか、と
毎度毎度のいつものことだ
偶に全ての均衡が折れる
地盤やらなんやら、些細なとこから大変なことまで
もにゃーっと、壊死する
何故か?そういったもんだからだ
摂理、その以上でも以下でも非ずして
故一切の感傷を抱くこと無く
燻る灰ごと火にかける
目先の紫が落ち零れる
骨がガタガタ鳴らしてく
地に沈みまたどっかに落ちる
その先でまた呼吸する
暇だなぁと、誰かに贖う
遥か遠くの空へ問う
この循環と衰退の価値を
その時貴方は知らなかったの
もしくは要らぬと突っ撥ねた
それがただただ、悔やまれる
溢れた口が
どうしようもなくただ目を追った
吐き気と形容してよいものか
そればかりが巡った巡った
手と手を見つけて
噛んで噛んで噛んで堪えて
瘡蓋を知ろうと知ったことなく
また脳天撃つ為止め処なく
喉を締める喉を締める喉を締める
叫ぶ叫ぶ叫ぶ叫ぶ
頭に頭に
響く響く響く響く響く
充足感ってなんだっけ
空と回る思考が笑顔
煩わしい煩わしい
煩い黙ってて黙ってて黙ってて
黙ってよ?
そう訴えようとも気取られない
言葉にならないものだから
もう応えることすら不適切な
烈火の如く、済めば失せるばかりの代物
忘れ去られることさえ無いもの
実体は在るのに無いだけの、それだけの
あぁああああ
藻掻くだけの日々に憑かれた
それがどうにもつまらなかった
温度を忘れた
から、暑いんだか寒いんだか分からなかった
ただ思い出せない
多くのことが
少し、うまく、わからない
“ ”
ぼたぼたと、きこえた
真夏の記憶
“やさしいね”、だって
何をもってしてそうしたのかね
んなもん客観からする偏見でしかないのにさ
まず考えてもみてよ
例えばさ、金銭の代価に商品を快く引き渡すこと
客入り維持の為それはそれは丁寧ににこやかに接客をすること
それらの何が特別だって?
時折不安になってしまうよ、それ本気で言ってんのかって
だったらあんたはやさしいね、とてつもなく生やさしい
その裏に巣食った心根なんて訊こうとも思いやしないだろうに
それすら良識はやさしさだとか呼ぶそうだ
やさしさなんて合理性に他ならない
莞爾な笑みを湛えたそれのどこが信用に値するのか