本の続きが楽しみだから
ページをめくる。

思い出に浸る為に、思い出を見る為に
ページをめくる。

自分の手でページを作る。
見方を変えれば人生なのかも。

九月に入ったのにも関わらず、暑い。
どうやら夏が延長されているみたいで。

暑さが続くのなら夏の忘れ物もを探しに行こうじゃないか。
暑いのは確かに嫌だけど、夏の延長は許されるよね？
君に来年の夏、暇か聞いてこないとね。

八月三十一日、午後五時。
外は徐々に夜へと変わっていっている。

夏の最後の日。
嗚呼…まだ君との思い出を作りたかったのにな。
また夏よ、来い。

｢私達はずっと二人っきりだからね！｣
小さい頃、そう君と約束をしたのを覚えている。

その遠い昔の約束はなんと叶ってしまった！
ずっとずっと二人っきりだもんね。
冷たくなった君は二度と喋らなかったけど。

君の心の中の風景はどうなっているのか。
僕との思い出？それとも綺麗な景色？

｢…君との思い出しかないかも｣
そう笑っていう君の姿にまた惚れてしまった。
嗚呼…君は本当に僕を惚れさせるのが上手だな。