─遠くの空へ─
「僕は何故生きている?」
遠くの空へ、今日も問う。
その答は帰ってこない。
ただひたすらに問い続ける。
いつかの答に期待して。
─言葉にできない─
「言葉にできないほど愛してる。」
そう男は言った。
一人の男と、棺に眠る女が一人。
女は何も反応しない。
彼女はもう起きることはない。
「なぁ、そろそろ返事してくれよ...。」
返事が帰ってこないことをわかっていて尚、
「君はどれほど僕を愛してるんだい?」
今日も帰らぬ人となった彼女へ男は問う。
その問の答えは彼の元にはいつまでも届かないだろう。
─春爛漫─
春爛漫(はるらんまん)は花が咲き乱れ、光が満ちた様子を表す言葉。
そう楽しそうに教えてくれた君は、
桜が咲き乱れ、光に満ち溢れた、
まさに春爛漫と言えるような時期に、
空へ旅立った。
お題【誰よりも、ずっと】
タイトル【愛してる】
私には、ずっと好きな人がいたの。
彼は優しくて、かっこよくて、守ってくれる人だったの。
私はね、先週彼に告白したの。
「付き合ってください。」って。
彼はね、「いいよ。」って言ってくれたの。
私は、とっても嬉しかったわ。
それから彼といろんな場所に行ったわ。
とても楽しかった。
遊園地や水族館、映画を観に行ったこともあったわ。
でもね、彼の家に行った時だけは違ったの。
「この部屋には絶対に入らないで。」って彼は言ったわ。
でも私は好奇心に負けて覗いてしまったの。
彼にはバレなかったわ。
でもね、その部屋。
彼が入らないでって言った部屋。
とても暗くて、少し怖かったの。
あまり見えなかったけど、紐みたいなものがぶら下がってたわ。
その数日後にね、彼は死んだの。
首吊り自殺で。
とても悲しかったわ。
彼は部屋にあった紐で亡くなったの。
彼の気持ちをもっと考えればよかった。
そうずっと後悔したわ。
でもね、それほど悲しいってことは、
それほど彼を愛してたってことだと思うの。
だからね、今日も彼のお墓に話し掛けるの。
「誰よりも、ずっと愛してる。」って。
お題【これからも、ずっと】
タイトル【自殺】
私は人を殺しました。
誰も起きていない、深夜1時に。
彼女は、自由が好きでした。
小説や絵など、自由に書けるものが好きでした。
彼女は、束縛が嫌いでした。
勉強や学校など、何かに縛られるのが嫌いでした。
彼女は、とても優しかったです。
自分が悪いと思って、「ごめんなさい」が口癖になっていました。
彼女は、自由に生きていました。
それはとても楽しそうに。
そんな彼女を、殺しました。
彼女の好きな自由を取り壊し、
好きな絵も、小説も、何もかも壊しました。
彼女は泣きました。
それはとても辛そうに。
私は自由だった自分を殺しました。
全てを自分の手で壊し、辛くて泣きました。
このままずっと自由だと、いつか限界が来てしまう。
ただでさえ、人間関係でストレスが多かった。
家族から「勉強しろ」と言われ、普通のことだけど辛かった。
だから死んでしまう前に自分で殺した。
自由な私は、消えてしまった。
これからも、ずっと自由な私は現れないのだろう。
できれば、自由な人生を送りたかった。
4月9日 1時04分 私は私を殺しました。