maria

Open App
1/12/2024, 1:57:01 AM

「寒さが身に染みて」


暑い日には「温かい」といい
寒い日には「涼しい」という

そんなあなたがいてくれるから
あなたの存在が私に根付いてゆく

あなたの存在がなかったとしたら

この寒さが身に染みて
涙も凍るだろう。
あなた以外のこの世の誰一人
気づくことなく。

1/10/2024, 4:47:15 PM

「20歳」

生まれおちて

息を吸い 息を吐き

もがき苦しみ 正解も得られず

真の友もなく

誠の師もなく

凍えながら 泣きながら

ただ ただ 歩んできた。

そうして20歳になったとて

突然未来が拓けるわけでもないでしょう。

だから 成人の日に

私に何かを期待しないで。

私に羽化を求めないで。

これからも独り

ただそれだけのことでしょう。

1/9/2024, 11:03:27 PM

「三日月」

三日月は哀しい

三日月は淋しい

三日月は息も絶え絶え

三日月は目に涙を溜めて

三日月は声を震わせ

消え行く定めに抗うように

あなたの名を呼ぶ。



あなたは空を見上げて

その姿を決して忘れぬと誓ってくれれば

三日月は目を閉じて

安らかに眠りにつき

そして生まれ変わるだろう。

あなたに再び会うために。


           「三日月」

11/17/2023, 4:39:17 PM

「冬になったら」


冬になったら

寒いから。

いいでしょ

いつもよりも距離を縮めても。

ホラ 寒いから。

いいでしょ

ホラ 寒くない。

すこぅし 温かくなった。

いつもよりも距離を縮めたら


        「冬になったら」

11/16/2023, 10:27:29 PM

「はなればなれ」

花の中の雄しべにとって
雌しべは高嶺の花で
誰かの力を借りてようやく
届くことのできるかもしれない
一生届かないかもしれない
狂おしくも もどかしい
呪わしい距離

あなたのことを想うとき
小さな花の中の
雌しべに恋い焦がれて
無力感を感じる雄しべほど
はなればなれではないことを
私は幸せにおもう


       「はなればなれ」

Next