ふうり

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9/7/2024, 9:36:40 AM

薄明時が時を告げた

あの人から告げられたタイムリミット
それが、今日の薄明時。

逃げなきゃ
地平線から徐々に姿を見せる太陽から、必死に逃げた。
逃げて 逃げて 逃げて 逃げ続けて
靴がボロボロになっても
人々が私を邪魔しようとも

生きたい 生きなきゃいけない 生きなくてはいけない
死にたくない 死ねない 死んではいけない

後ろから爆発音が聞こえてくる
人々の悲鳴が聞こえる

タイムリミットの時を告げた太陽は
全てに等しく死を与えた

お題『時を告げる』

9/5/2024, 11:24:22 AM

紫色の空が広がり、青色の海がたぷたぷと揺れる。
ベージュ色の砂浜には、色も形も様々な貝殻が散らばっていた。

ワンピースを着た少女が、裸足で砂浜に足跡をつけていく。
オレンジ色の巻貝を拾い上げ、ふっと息を優しく吹きかけた。

貝殻は砂でできていたかのように、小さな粒子となってバラバラになり空に浮かんだ。
そして細かく並び、映像を作り出した。

それは貝殻に詰まった、狂気の映像。
戦争を繰り返し、栄光と領地の為に戦った兵士達の、血と怨嗟の記憶。
悲鳴と命乞いの声が鳴り響いた後、その映像は夢だったかのように消えてしまった。

少女はさっきと同じ様に、貝殻を拾い続けた。
狂気の墓場であるこの砂浜の
貝殻が全て消え去るまで

お題『貝殻』

7/5/2024, 6:54:14 AM

神様だけが知っている秘密

人間達には理解してはいけない秘密

唇らしき部位を動かし

言葉を発した

選ばれた人間だけがその言葉を聞ける

脳が認識し 心で理解する

選ばれた人間は深く、深くお辞儀をした。

満足そうで、これからを生きようと心に決めた顔を見せ、神に背を向け帰路につく。

「良かった」

人間は雨粒のようにぽつりと呟いた

首にぶら下げているネックレスを握りしめ

神の地を離れた

人間が聞いた言葉は

神が教えた言葉は

神様だけが知っている

お題『神様だけが知っている』

7/2/2024, 12:34:44 PM

日差しがぎらりと輝く

鉄板みたいに熱くなった

コンクリ地面を見て

僕はぽつりと呟く

「あの時みたいだな」

お題『日差し』

6/25/2024, 1:04:12 PM

雨の後の花

ガラス細工の花

乾燥した花

それら全て繊細な花だ

ねぇ

貴方のお花はどんなお花

お題『繊細な花』

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