離れ離れは嫌なこと?
離れ離れはダメなこと?
そんなことはないさ
だって別れることによって
新たな出会いもあるんだから
だってそうだろう?
今これを見ている君がそうだ
前の文とお別れをしたから私と会えたんだ
そしてこの文ともお別れしてまた新たな文と出会う
素敵なことだろう?
それじゃあ行ってらっしゃい
お題『はなればなれ』
君の通っている学校の通学路
そこにある古びた神社に黒い子猫がいるでしょ?
赤い瞳の可愛い子猫
でもあんまりご飯とかあげちゃだめなんだよ
懐かれちゃうから
なんで懐かれちゃだめかって?
それはね
自分に優しくしてくれる人を食べちゃうからなんだ
やっと思い出した?
君はそれで死んだんだよ
お題『子猫』
秋風が体にぶつかる
まだ衣替えをしていなかった私は
鳥肌を立たせながら早歩きで帰路に着く
家につきクローゼットを開けると
コートが一着 ハンガーにかかっていた
手に取り生地を触る
母親の温もりがコートに残っているような気がした
死の間際に託してくれたこのコート
悲しみの風が秋風と共に殴ってくるような感じがした
埃を取り除き シワを整える
明日着ていこう
そう思い 今日生きる準備をし始めた
お題『秋風』
幕が下りた
人生のような劇のような
そんな長い長い劇の幕が下りた
幕が下りた舞台上で
少女が一人お辞儀をする
その少女はこの劇の主役でもあった
しかし幕が下りたらただの役者
入れ物が無いただの魂
彼女はオーディション会場に行き
自らが主役の劇を探すのだろう
これを人間は輪廻と呼んだ
お題『また会いましょう』
スリルを求め旅を始めた
見知らぬ土地
見知らぬ人
見知らぬ出来事
それらは私にいろんな事を教えてくれた
勿論 危ないこともあった
するりと自分の命が落ちて砕けそうな感覚
その他大勢の人間ならば嫌うのだろう
だが私はこれが病みつきになってしまった
自らの欲を満たす為 今日も危ない事をした
まぁ
もう終わったことなんだがね
お題『スリル』