雨上がり
この街はいつも静かな方だが
今この瞬間はいつも以上に静かだ。
地面に打ち付けられた後の水は、
雲の隙間から漏れる日の光に照らされて
キラキラした宝石みたいに輝いている。
雨上がりの風は、木や花の自然の匂いと
この街の人工的な匂いを混ぜて運んで来る。
こんなに綺麗な空観は、
私にはもったいなさ過ぎて、
でも、独り占め出来ることが、
同仕様もなく嬉しくて、
なんか少し切なくて、楽しくて。
もしこの時間を冷凍保存出来るなら、
今すぐにでも冷蔵庫の中にしまうのに。
そう思ってしまうんだ。
まって
行かないで、
私のそばにいて、
どうして他の人を見ちゃうの?
私の事はどうでもいいの?
酷い…私可哀想…
ねぇ、まってよ
まってって言ってるじゃん
聞こえてるよね?
どうして?ねぇ
わかってるよね?
これからどうするの?
ねぇ?
こたえて
手放す勇気
大切な物を手に入れるには
大切な物を手放す勇気が必要らしい
ま、私欲張りなんで
記憶の海
゛水底゛にいた筈だったのに…
未来への船
私は未来への船に乗り遅れてしまったんだと思う
みんなはもう乗っているのに…
私だけ追いつけない。
元から私は勉強も出来なかったし、運動能力は全く無いし、顔も良くないし、性格も良くない、その上コミュ力が終わってる。
皆に求められてる事が分からない。
そして船に乗り遅れた1番の理由は、自分は何が好きなのか分からないから。趣味と言えるものも無ければ、推しがいる訳でも無い。
周りの子達がこれから何をして生きて行きたいか決まってて、びっくりした。
私は明日の自分、なんなら今の自分もよく分からないのに。これからの事が怖くて仕方ない。
最近毎日、罪悪感とか劣等感とか不安とか悔しさで枕を湿らす生活をしてるけど、
「私だけ乗り遅れちゃった!次の船に乗れたら乗るから皆は先に行ってて!」
…私は多分、大丈夫。
そう言い聞かせて今日も明日も命日も生きて行きたい。私は絶対大丈夫。