7/15/2024, 10:59:49 AM
(擬人化した車×人間です二次創作です)
「終わりにしよう」
この戦いを。
キノとエルメスは密かに戦っていた。エルメスはキノにバニー服を着て欲しかった。キノはそれを拒んだ。昨日から続いているこの戦いを、明日は出発日だからという理由で終わらせなければならなかった。
「僕は絶対似合うと思うけどなー!キノのバニーガール姿……この国ではコスプレが盛んなんだし、キノもこういうの試してみればいいのに。」
「エルメス、ぼくは見るので満足しているし、コスプレなら昼にやっただろ。あれじゃダメなのか。」
「軍服は露出がないじゃない!キノの肌が見たい!」
エルメスは人間の体を手に入れたことで、新しく煩悩というおかしな感情を手に入れていた。
被服技術が盛んなこの国では、コスプレというなりきりコスチューム遊びが流行していた。キノは昼に行った店でサバイバルゲーム用の軍服を着せてもらっていたが、エルメスからすればそれはあまり魅力的ではなかった。
要するに、エルメスはキノの女の子らしい可愛い服装が見てみたいのだった。
「そんなこと言ったって、今から着てどうするんだい。エルメス?」
「僕といちゃいちゃしようよ、恋人みたいに」
「モトラドといちゃいちゃはできないよ」
「今は人間だよ」
「でも明日にはまたモトラドになるんだろう?じゃあ人間とはいえないよ。」
「もー、キノとはなしてるとすぐ哲学的な方に行く!」
文句を言えばキノが吹き出す。
ごめんよ、と軽く謝罪し、キノは例の服を手にとった。
「そんなに着て欲しいんだったらいいよ、ただし人が来たらちゃんと教えてね。」
「わーい!」
キノの譲歩により戦いは終わった。
バニーガール姿はよく似合っていた。
「似合ってるじゃん、店でバイトできるんじゃない?キノ。」
「明日出国するから無理だよ、エルメス。」