気怠い朝のコール音

浅い眠りの深い夢

受話器を手に取り空に当て

ダイヤル回してかけ直す

着信押して切れた電話は

コンセントが抜けていた

「もしもし」と呼ぶ声がして

時計を見た

――サメの言うことにゃ、

Ring Ring ...

辛くて悲しいことがあって

全てを無にしたい気持ちで

何をしたって届かなくて

頑張って崩して滅びちゃう

無頼で何も出来ない時だって

何かしたから進捗がある

自分の与り知らぬところで

誰かが押してくれる背中

――サメの言うことにゃ、

追い風

一人で見あげる青空

見つける一番星

一人で歩く散歩道

三匹の犬を連れた人

一人で埋めるテーブル席

二人分食べて奮発

一人で取ったペアチケット

「いつか見たいね」って言ってた映画

――サメの言うことにゃ、

君と一緒に

冷たい日々に射す光

暖かみのある光

凍った世界に希望一筋

温もり包まれ夢見がち

寒いからこそ感じる暖かみを

この上なく授かって

冬が溶けるのを想ってしまえば

切ない迎春の幕開けと化す

――サメの言うことにゃ、

冬晴れ

汗と涙の結晶を支払う

味の極を確かめる為に

自堕落の快楽を味わう

真の自由に溺れる為に

誰かを殺す毒を飲む

愛の極地を得る為に

何もしないをし続ける

いつも通りの日々である為に

――サメの言うことにゃ、

幸せとは