嫌いだ
夏の日差しなんか
暑いし 焼けるし 何もいいことがない
だから君もおいでよ
日の当たらない、暗くて冷たい方へ
私のところへ おいで
お題:日差し
自分を自分でなくすことができないから
場所を変えてみたい
周りの人間を変えてみたい
自分をやり直すために 自分はそのままで
周りを全部取っ替えたい
そうやってたどり着いた先で
私はまだ私をやっている
お題:ここではないどこか
アイボリーの糸を
そっと編み込んでゆく
春の日の薄靄にも似た
柔らかく優しい 花のドイリー
一目編んで
初恋の人を思い出して
ピコを作って
余白の間合いを図る
また一目編んだら
ゆっくり糸を引っ張って
綺麗な花ができたら
しょきんとハサミを鳴らして
それで もうおしまい
初恋にハサミを入れるような痛みも
冷めた紅茶の渋さが上書きしてくれるから
だから
もう おしまい
糸を仕舞ったなら
夏を孕んだ、熱く湿った風がやってくる
それを待っていない人の部屋にも
お題:繊細な花
あじさいが咲いたよ
夏が来るんだね
貴方は夏が似合う人だけど
貴方自身は夏が好きだろうか?
あじさいが咲いたね
わたしは夏が嫌いだよ
梅雨に濡れた葉の裏で
やんわりと夏をやり過ごすよ
あじさいが咲いたんだよ
貴方が知ってても 知らなくっても
あじさいって咲くんだよ
咲いたんだよ
ねえ
咲いたんだよ
お題:あじさい
空から隕石が落っこちてきて
誰一人助からないんだってさ
散々使いまわされた最期が目の前にやってきて
もうどうしようもないんだって
笑えちゃうよね
映画みたいな華麗な展開はなさそうで
君は世界の終わりなんて
「一生に一度しか見れないから」なんていって
隕石を見に行きたがるんだろうけど
こっからでも見えるといいね
世界の裏側に落っこちないといいね
わたしは怖いから、君の背中にくっついて
目を瞑っているからさ
多分気づかないうちに死んじゃうんだろうね
ちゃんと死んだら、
「死んだよ」って耳元で教えてね
わたし鈍いからさ 頼んだよ
お題:世界の終わりに君と