架空

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9/7/2024, 5:08:04 AM

彼女は毎日決まった時間に時を告げる。
ニュースキャスターの第一声のように淀みなく、
そして、恐ろしくよく通る声で。

それが彼女の仕事であり、
間違いなく「天職」といえる域に達していた。
彼女自身も自分の仕事を誇りに思っているようで、
彼女の表情からは自信と覚悟、
そして静かな威厳を感じた。

彼女の声色は、若干独特な響きを持っていた。
その特徴をうまく説明する自信は無いが、
同世代の女性達の声と比べてみた時に、
明らかに異質なモノであると言わざるを得ない。

そしてその声を聞いたほぼ全ての人間が、
多かれ少なかれ不快感を抱き、眉をひそめる。

5年前、
私がはじめて彼女と出会った時、
彼女に対して繊細で大人しく真面目な子だと感じた。
だからこそ、周りからの評価の低さを不思議に思い、
彼女の境遇を不憫に思ったりもした。

しかし今では私も、その他大勢の例に漏れず、
彼女の声に眉をひそめる人間の仲間入りをしている。
それどころか、
彼女に対して声を荒げて罵ってしまう事も
一度や二度ではなかっただろう。

私から度々そんな扱いを受けていても、
彼女は決して嫌な顔ひとつせず、
時に病的なまでに律儀に規則正しく、
自分の仕事を全うしていた。

昨日までは。

8/18/2024, 12:00:52 PM

【鏡】

今あなたの目の前にいる私は、
どんな顔をしているのかしら。

あなたが嬉しそうなら、
私もきっと嬉しい顔。

あなたが優しい笑顔なら、
私もきっと優しい笑顔。


あなたが悲しそうな日は、
きっと私が悲しい顔をしていたのね。

7/24/2024, 11:00:42 PM

【友情】

私には、
定期的に連絡を取り合う友達が1人もいない。
「友情」を感じる相手がいない。

学生時代の友達、職場の同僚…
それぞれで仲良くしていた人はいる。
というか、
私は低姿勢で人当たりが良いタイプなので、
特に社会人になってからは、
人間関係で困った事は一度もないぐらいだ。

けれど、学校や職場が変わると、
その付き合いは終わる。
その後も連絡を取り合う事はごく稀で、
プライベートで付き合う人が1人もいない。

ついこの間も、
以前の職場で仲が良かった3人組で
夕飯を食べに行こうと誘われたけれど、
職場が変われば会う事も無いのに、
プライベートな時間を使ってまで
話をする必要が無いと思って、
断ってしまった。

私はいつもそうだ。
つい「必要」か「必要無い」か…
そこで判断してしまう。
なのでいっつも「知人」や「同僚」止まり。
プライベートな時間を共有する「友達」には
ならない。作ろうとも思わない。

たまに寂しく感じる事もある。
何でも話せる友達が1人でもいたら、
人生もっと楽しいんじゃないか?って。

こんな匿名性の高いSNSばかり選んで
投稿しているようじゃ、
そんな友達は出来ないって事も分かっているけど…

母親とすら良好な関係を築けない自分にとって、
赤の他人との友情は、
本当にハードルが高い。

7/21/2024, 10:33:41 AM

【今一番欲しいもの】

そりゃ間違いなくお金だな。
とにかく収入と支出のバランスを
何とかしないとヤバい。

7/18/2024, 10:57:07 PM

【私だけ】

私だけは人とは違う。

そんな自分には特別な魅力があると考えて、
周りとはちょっとズレてる自分を
演出したりする。

けれど大抵の場合、
特別感なんて全く感じない程度の人ばかり。
同じように考えて行動してる人が
あちこちに大量発生してるからね。

完全に自分のオリジナルって事は無い。
みんな何かしらに影響を受けて、
無意識のうちに真似して生きてる。

特に、聞かれてもいないのに、
勝手に自分語りを始めるタイプは
かなり重症だと思う。

どんな有名なクリエイターだって、
他の色々な作品を見て、
様々な分野からたくさんの物をインプットして、
そこから発展させて作品を生み出している。

過去の経験や記憶に頼らず、
完全にゼロから生み出すなんて、
無理な話。
絶対に何をするにしても、
何をひらめくとしても、
過去に見た何かから影響を受けている。

そこから発展させて何を生み出すかが重要。
「私だけ」というのは嘘であり無価値。
私はそう思っているから、
得意げに自分語りを始めた人からは
そっと距離を置く事にしている。

関わったとしても、何の特にもならないだろうから。

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