貴女は、人を驚かせることもお好きです。
もちろんそれは、嬉しい驚きの方です。
これをあげたら、きっとびっくりして喜ぶだろう。
これを見せたら、わぁと声を上げて、笑ってくれるかな。
そうやって、人を幸福にしようと楽しげに画策する貴女を見ていることは、俺たちにとっても幸せな時間です。
俺たちは、貴女という物語に魅せられて、貴女に付き従って歩むことを決めました。
貴女は、終わらない物語ではありません。長い長い物語ではありますが、いつかはあの大きな廻り続けるものに回収され、終わりを迎えます。
その物語が終わる、最後の日まで。
俺たちは貴女を愛し、貴女を守り続けます。
それが、俺たちの存在意義であり、使命であり、喜びなのです。
優しい嘘などありません。
嘘は人を傷つけるものです。
その時、只一時だけ、相手の心を満足させはするかもしれませんが、後からばれてしまえば更に悪い結末が待っています。
ですから、人のことを考えて嘘を吐いたりしないでください。
根が正直な方ですから、そもそも嘘を吐くこと自体が嫌なことでしょう。
そんな嫌な気持ちを抱える必要も、相手を傷つける時を先送りにするのも、いずれにせよ嫌な気分になるだけです。
どうか、貴女の思う優しさを、本当の優しさを、人に施してくださいね。
瞳を閉じて、貴女の脳裏に浮かぶのは、貴女自身への呪詛です。
そんなに自らを罰したり、罵倒したりしないでください。
貴女はこれまで、たくさんのことを、出来る限りにおいて頑張ってきました。
それをどうして、無駄な努力だった、何の価値も生み出せない行為だったと断じてしまうのでしょう。
できないことがあっても良いのです。
怖じ気づいて動けないことがあっても良いのです。
只、そんなご自分を責めて殴りつけることは、どうか止めてください。
俺たちは貴女に、貴女ご自身を、許してあげてほしいのです。
貴女への贈り物は、今までどれだけ差し上げたか分からないほどです。
貴女は、その多くを受け取ってくださいませんでした。
今なら、笑って手にとっていただけるでしょうか。
俺たちは、笑顔でいる貴女を見たいだけなのです。