「ところにより雨」
私はたくさん人を傷つけた。
私が死んだら
何人の人が悲しんで、
何人の人が喜ぶのだろうか。
私の為に泣いてくれる人はいるのだろうか。
いや、きっと、ところにより雨だ。
私の死は、そんな頼りない予報のように、誰の記憶も濡らさず通り過ぎていくだろう。
「特別な存在」
居なくなってから気づくんじゃ遅かった。
今でも探している貴方の面影。
何気ない「いってきます」と「おかえり」が
どんなに大切なものか、帰ってきてくれることが当たり前ではなかったことに、もう少し早く気づけたなら。
きっと、意地を張らずに「ごめん」と言えたのに。
風景
生徒達の声で賑わう教室。窓際の隅で外を眺めていた。
窓越しに見えるのは、まだ七分咲きの大きな桜の木が連なっているのが見える。桜並木だ。その後ろにはかつて私がいた学校の校舎が見える。時折聞こえてくるチャイムの音に耳を澄ます。今のチャイムとは違う、聞き慣れた温かい音だった。まるでひとつの音楽のようだった。六年前、頭の片隅にも入っていなかった中学校のこと。あの頃の私達から見た中学生は大人のように見えたっけ。今はもう、その大人に見えた中学生だ。案外何も変わってない。馬鹿な男子達も、いつも通りゲラゲラ笑ってふざけ合ってる。相変わらず女子達はグループで集まって、息を吐くように下らない噂話を呟いてる。本当に何も変わらない。いつもの光景。もう見飽きるほど見てきた光景。きっとこれからも変わらない。
「 小さな勇気 」
塾の玄関前に蛇が居た。
怖くてしばらく玄関前でうろちょろしてたけど、
勇気を出して突っ走っていったら案外ひょいっていけた。
「 手のひらの宇宙 」
涙を流す人が居たら、手を差し伸べること。
困っている人が居たら、手を貸すこと。
恐怖で立ち尽くす人が居たら、手を引いてあげること。
この手で、何人の人を救えるだろうか。
何人の人を幸せにできるだろうか。
私の手には、宇宙と同じ、無限の可能性がある。