5/29/2023, 1:37:11 PM
ごめんね
私の好きな人は彼女がいて、一途で、硬派な人。
仕事もできて誰からも好かれる素敵な彼。
みんなそう思っている。私もそう思っている。
だけどね、違うの。
あの夜酔っ払った彼は私にキスをする。
何度も何度も愛おしそうに唇を重ねた。
触れられたところが熱を帯びたように高鳴って、
電気が走るような反応に落ちていく。
彼から求められる度に私を愛してくれてるようで
その感覚に溺れていたかったの。
まだ子供な私には、大好きな人と近づけたことが
幸せでしかなかった。
今日だけ、と彼が言えば酷く切なかった。
私が彼を独り占めできるのはこれが最初で最後。
…知っているよ。
貴方の瞳の奥には彼女しかいないことも。
私じゃなくてもよかったってことも。
こんな人嫌いになって仕舞えば良かったのに。
私へ、ごめんね。
悪い大人に騙されてみたい日もあるの。
この後罪悪感で胸が引き裂けそうになって泣く日々が
私に襲いかかるとしても、
私はこの瞬間を手放せなかった。
愛していないのに触れないで。
いいえ、愛していなくてもいいから…
こんな私でごめんね。私。
5/26/2023, 12:38:59 PM
月に願いを
嗚呼、あの月は私のことが見えているのでしょうか。
毎晩空を見上げては貴方を見つめています。
月を見上げるのが私の1番幸せな時間。
隣に光る星よりも貴方が美しい。
もし、願いをするのならば、この想いが月に届け。
ただそう思いながら今日も貴方を見つめる。
嗚呼、あの少女は私のことが見つめてくれている。
毎晩空を見上げては私を見つめている。
少女には私が美しく見えているのだろうか。
私は綺麗ではない。醜い傷だらけの姿なのだ。
もし、願いをするのならば、私を嫌いにならないで。
ただそう思いながら今日も少女を見守る。