1/15/2023, 6:32:00 AM
「…どうして」
あなたの目には涙が溜まっていた。
ボクは最後の力を振り絞って、あなたの涙をぬぐう。
…あなたには、…さいごまで……笑っててほしかった…
目の前が暗くなっていく。
あなたがボクよりも強くて、この状況をどうにかできることなんてわかりきっていた。
足手まといになるとしても、さいごまで一緒にいて、あなたの危機となるものから守りたかった。
「あんなの…あんなストーカー野郎に噛みつく必要なんてなかったのよ?そんなことしなければ、刺されずに済んだかもしれないのに…こんなのって…」
違うんだ。ボクが勝手にしたんだ。
あなたが、ボクを救ってくれたから…。
ボクは、静かに目を閉じる。そして静かに旅立った。
「午後11時38分、犬のポチさんご臨終です。」
『どうして』