とある女児連続殺人事件の犯人が逮捕され、裁判にかけられた。しかし有罪を勝ち取るには証拠が弱かった。

検察はいくつかの偽証をでっち上げた。
俺も虚偽の証言をする。

「おれは…」

国民の安寧のために正義のために悪の行いをしようか
犯人のために悪のために正義の行いをしようか

それでいい
正義がいい

「おれは…」
　　　
　　　　　　　　　　　　　　〈4月4日　それでいい〉

最愛の君が死んだ
飲酒運転の轢き逃げだった

信じられない出来事とは案外起こるものだ
なにも考えられない
もう僕にはなにも残っていない
ただ茫然としていると神様が降りてきた
「不幸なお前の願いを一つだけ叶えてやろう」

僕はこの権利をなにに使うべきか思案する
君を生き返られせもらう？
僕を君のところに連れていってもらう？

いや、僕から君を奪った憎きアイツを……

　　　　　　　　　　　　　　〈4月4日　一つだけ〉

クラスのあの子が言っていた漫画本を手に取る
漫画やアニメの類が好きなわけじゃないのに心が惹かれていく
不思議なもんで今まで興味も関心もなかったものがこんなにも美しく見えてしまう
なにか漫画自体にきっかけがあったわけではない、ただあの子が好きな漫画ってことだけだ

僕はやはり漫画は好きではない、読んでいても感じる
でもあの子と同じものを読んでいる、同じことを感じているかもしれない、そうゆう考えが脳裏に浮かぶと不思議と心が高揚するのがわかる

好きじゃないものでも好きになってしまう

　　　　　　　　　　　　〈3月26日　好きじゃない〉