❒wing「意味がないこと」
物語は本を開けるたびに最初に戻り
必ず同じ最後で終わる。
何度主人公が誰かに恋をしても
悪役が何度主人公に殺されても
全部何度も何度も繰り返されるだけ
本を読んだあとは…
簡単にその世界が閉じるに過ぎない
誰かが悲しんで違う世界線を書いたとしても
原作元の登場人物達には何にも影響がない
展開はそのまま 結局は何も意味のないこと
だけどそれでも願ってしまうそれは
悪いことなんかじゃないし
勝手にこっち側がやっていることだけど
それでも幸せになって欲しい
それは…本当に意味のないことなのだろうか?
❒wing「束の間の休息」
俺は宿題が全部終わりやっと休息ができると
ひと息吐いて笑みを浮かべた
背筋を伸ばし飲み物を取ろうとリビングへ向かう
冷蔵庫から冷えたお茶を取り部屋に戻る
椅子に座りお茶を飲みながらふと何かを
忘れているような気がする
何か大事な事な気がする
なのに思い出せない
もやもやしながら「うぅ~ん」と口にだし
ふとまさかと思い学生バッグの中を見てみる
あぁ〜と心の中やってしまったと
まぁ気づかなかった俺が悪いのだけれど
簡単に言えば自業自得
まさか英語を忘れるとは思わなかった
「はぁ」とため息をついてノートを机に広げ
思う束の間休息とはこう言う事なのか?
❒wing「力を込めて」
良いことをすると自分に返ってくると
子供の頃両親によく聞かされた
子供の頃は両親の言う事を真に受けて
どんな時でも人に優しく接していた
だけど中学に進学した頃にはいつの間にか
「優しく」と言う言葉に疑問を持ち始めた
人に優しくするとはなんだろう?
嫌なことをされてもその人を許す事なのだろうか?
それだったら僕は優しくしたくない
だって誰しも喧嘩や嫌なこと嫌いな人苦手な人が居る
それが普通だから…
優しくは別に嫌いな言葉ではないけれど
それじゃ僕はずっと人に優しく接しないと親には
優しくない人として見られるのではないのかと
不安になる…とそう思っていた
だって…
僕はヒーローみたいに全員を救える力はないし
沢山の人に注目される人でもない
もっと力があれば…とかたまに思ったりするけど
だけど結局今のままで良いことを思い知らされる
だって物語ヒーローは必ずしも
「幸せ」じゃない
物語ヒーロー「主役」はからなず力の代わりに悲劇が
起こる自分では耐えられないくらいの「悲劇」
そんなの僕には無理だ
だけどそんなヒーローをみて自分も少しでいいから
人に優しく接して
今あるこの時間を大切にしなきゃな~
と何時も思ってしまう
人一人一人に何かしらはあるけど
確かに嫌ってしまったり
苦手になってしまうけど
それでも僕はその人に優しく接してあげようと思う
だってきっと
「それが僕の中にある優しさだと思うから」
そうやって今日も胸に手を当て力を込めて意気込む