【大好きな君に】
最近はお仕事頑張っていて
いつも夜遅くにあなたと会う
最近は出張も頑張っていて
いつも朝早くにあなたはいない
「愛してるよ」
「好きだよ」
その言葉
嬉しかったな。
いつかの夜、
きらきらな星で埋め尽くされた星空を
ベランダで2人目を輝かせた
いつかの朝、
夜更かしして見た日の出を
窓の前で2人笑い合った
でもね
私だけが知ってるの
私だけがあなたを想っていたの
「大好き゛だった゛君へ」
【ひなまつり】
私にとってこの日は1番輝ける場所
いつもはほこりだらけの衣
今日だけつやつやでキラキラな衣
たんすの奥から引っ張って
桃の花と
たくさんの官女
綺麗なぼんぼり
ピンクの桜
全部私のためにある。
そう考えただけで
嬉しくなってしまうのは
今日が特別な日だからだ。
「お母さん、もうひな祭り終わったよ…?そろそろ片付けようよ。」
ひな壇を見た娘が言った。
「そうね。もう終わったし、片付けようね。」
もう終わってしまった特別な日
ひな壇の上の雛人形は
静かに座って動かない。
【たった一つの希望】
暗い部屋
ひとりぼっち
孤独
寂しい
会いたい
そう思うごとに首元の首輪が
音を立てる
こんな狭い部屋いたくない
ご飯はまだ?
外に出たい
寒いよ
風が吹くたび全身が凍るように冷たくなる
ガチャ
あ!
ドアの開く音だ!!
帰ってきた!
ご主人様!
犬は「あなただけが希望だったの」というように飼い主を見つめる
犬が嬉しく鳴く声は
飼い主の気持ちも自然と温かくなった。
【欲望】
桜舞う季節
何も知らない桜の花
揺れる真っ白なカーテン
同時に心も揺れている
1人残った教室
寂しさだけがこびりつく
あなたにちゃんと言えたなら
あなたにちゃんと会えたなら
あなたに「好き」と言えたら
今ここに私は居ないだろう
戻りたい
やり直したい
手に入れたい
後悔で胸が痛くなる
恋に欲望はつきものだ。
【遠くの街へ】
遠くの街へ
歩いて歩いて歩いて歩いて
走って走って走って走って
逃げて逃げて逃げて逃げて
呼吸も忘れ
名前も忘れ
何も感じない
何も聞こえない
口の中の鉄の味
自分のものとは思えない嗚咽
生暖かい頬に伝う涙
もっと遠くへ
もっと離れて
もっと
もっと
もっと
あれ
私は何から
逃げているんだろう