大好きな服を来て大好きな場所に出かける。
そんな簡単なことも出来なくなってしまった。
もうベッドから離れるのが辛い季節。

叶わぬ夢を見ていた。
今でも叶えた人たちをみて1人虚しく思う夜もある。
ああ、また明日は仕事だ。
昔に戻りたい。

花の香りと共に紋白蝶が飛んできた。
また春になったのだと悟り縁側に出る。
暖かい陽だまりと上から降ってくる花びらに目を細め
隣で寝ている猫を撫でた。

心のざわめきと同じように
木が風に揺られ音を出した。
落ちた木の葉が水面に落ちて小さな波がたつ。

だんだん暗くなってきた空に焦る心が強くなった。
早く帰らなきゃ。

君を探している時は時間がゆっくり流れていたのに
共に過ごす今は光よりも早い気がする。
ほら、もう僕達おじいちゃんだよ。