あのボロボロになった体育大会も
独りぼっちだった文化祭も
君は一緒にいてくれたね

空恋

波音に耳を澄ませて
頭の中から雑音を消す
蒼くて深いあの海に
私は一歩づつ一歩づつ近づく
初めはゆっくりと、
だんだん速くなって
私の体は宙を舞う
おおきな水音をたてて海に墜ちたら、
そのまま静かに沈んでいく

もう何千回も考えた
私の理想の死に方

あの春の日
君に貰ったクリスタル
君は覚えてるかな
引っ越ししてもう会えなくなっちゃったけど
まだ棚の中にしまっているよ

教室へ帰った
移動教室の後だった
とても暑い昼だった
やけに蝉の声が大きく聞こえた
カーテンが翻った

今にも消え入りそうな君がいた

澄み切っている君の瞳は
青く深く吸い込まれそうで
こんなにも辛い思いを
私が患っているとも知らずに
また私を虜にした