#未来
「全ての物事には、終わりがあるんだよ」
そう、笑って言われたら、何も返せなかった。
「…、」
「それが、今」
瞳を潤ませながら、俺の左胸を指でトン、と突く
「さようなら」
背中を見せて去っていく姿に、何を返せただろう
今更、意味のない手を伸ばす
でも、今が本当に、"終わり"の時だったのか
本当に、"未来"は、なかったのか___
#1年前
「もう、出会って1年も経つんだね」
「まだあとちょっとあるけど」
「もぉ、そんなこと言わないでよ」
「折角思い出に浸る時間作ろうと思ったのに」
「や、いらないその時間」
「なんでそんなこというのーっ」
「今までの俺振り返ってみ?」
「あー、、確実に泣くね」
「そ。だからこの話はやめ」
「ふーん、でもさっ、2人との時間もみんなでの時間も、泣くほど良い1年だったってことでしょ?」
「………まぁ、そういうこと」
#あいまいな空
「♪〜」
「こさめー?何してんの?」
「んー、空見てた」
「雨降りそうだなーって」
「お前暇なん?」
「暇だからだよ」
「曇ってる空見るのよくない?」
「んー、いや、頭痛くなるから嫌」
「こさめは好きなの」
「だって、なんか………」
「どうかした?」
「なぁんでもない!!帰ろー」
「…あっそ、」
窓の外から見える姿に、目を背けたかった。
曇った空は、必死に気持ちを押し隠す、こさめみたい
#やりたいこと
「俺、いるまと一緒に色んなことしたいの」
「2人で、一緒に遊びに行きたい。遠くに、行きたいなぁ。旅行とか楽しそう。日本1周、なんて、笑」
「でも、普通に散歩もしたいなぁ」
「2人で手を繋いでさ、近くの公園行きたい」
「一緒に、料理作ったり、テレビ見て笑いあったり、普通の事でもいいから、2人で…」
「2人で一緒に何かしたいなぁ」ニコ
「…いつか、な」
「………」
「あはは、来るといいなぁ」
「ごめんね、俺のせいで」
「俺を愛してくれてるのは嬉しいけど。時間の無駄になってるでしょ、?」
「…ばか、、」
「しぬなよ」
#朝日の温もり
「んん…ぃるま?」
……………
「ぁ…、そうか」
「いるまは、もう居ないんだった」
「あったかくて、
勘違いしちゃったよ…、」