1/29/2025, 11:05:09 AM
挨拶をするときは脱帽しなさいと教えられた
朝の挨拶も帰りの時も帽子を取って頭を下げた
君と逢う時も別れる時も
君が最期の旅に出る日も
皆が鍔を抑えて顔を隠す中
帽子を取って笑ってみせた
君が笑ってほしいと言った
笑ってさよならしたいと言ったから
帽子を取って笑ってみせた
帽子に押し込んだ嗚咽の声は
綺麗に隠して笑ってみせた
‹帽子かぶって›
1/27/2025, 10:20:37 AM
例えば席を譲るとか
例えば落とし物に声を掛けるとか
そのくらいでよかった
例えば傷を手当てするとか
例えば異常を訴えるとか
そのくらいでもよかった
そのくらいでよかった
そのくらいでも本当は
十分足りてた筈なのに
臆病の果てに残された
唯一絶対の選択肢
優柔不断が迫られた
完全なる二者択一
見捨てるモノを決める覚悟
救ったものに恨まれる覚悟
それを満たす強さなんて
持っている訳無かったのに
‹小さな勇気›
1/27/2025, 9:58:27 AM
思わず肩が揺れる
悪戯っ子の君の声
平気な振りして一呼吸
何でも無い様振り返り
からかい笑う君の
姿が花吹雪の
向こうに見え
‹わぁ!›
1/26/2025, 10:53:58 AM
千夜一夜を超えて尚
続きは明日と目を閉じる
万夜億夜超えて尚
続きは明日と目を閉ざす
続きを願うその声を
明日も聴いていたいから
‹終わらない物語›
「ね、これから言うのは嘘だから」
「だから明日には忘れてね」
「君と戦いたくなかったな」
‹やさしい嘘›
1/24/2025, 10:02:33 AM
瞼の暗闇 赤肌色
元気な挨拶 弾むお喋り
花の甘さ 油の空腹
日差しの熱 風の痛み
私を取り巻く世界のこと
広い広い世界のこと
愛しかったその世界は
もう記憶にしか残らない
‹瞳をとじて›
大事なあなたに
大切なあなたに
より良く歩む賢さを
到達へ臨む丈夫さを
表現を満たす感性を
喪失しえない強靭を
誰もが愛する心根を
誰かを愛する特別を
ああその前に大切な一つ
大事な大事な宝物
あなたの生きる道しるべ
あなただけの名前を一つ
‹あなたへの贈り物›