「今年はね」
「今年こそは」
「今度こそ『いいひと』に」
「誰にも恨まれない人に」
「誰にも嫌われない人に」
「誰にも認識されない人に!」
‹今年の抱負›
「『新しい年』は言うけれど、
『古い年』って言わないよね」
「それはそうでしょ、時間は過ぎ行くモノ
私達が置き去りにされているだけなんだから」
‹新年›
今年までの私に別れを告げて
昨日までの私を脱ぎ捨てて
一秒前に吸い込んだ
空気と言葉でさよならしよう
‹良いお年を›
1月に1個
2月に3回
3月に10枚
4月に5本
毎月毎月頑張って
12月には50人
ちょっとはちょっとは
ちょっとはこの世も
ちょっとは綺麗になったかな
‹1年間を振り返る›
「焼き蜜柑って美味しいらしいよ」
「バナナも焼くと美味しいみたい」
「野菜も肉も焼いたら美味しい」
「じゃあきっと土も石も」
「星だって焼いたら美味しいね!」
‹みかん›
「雪が解けたら何になる?」
「水に溶けて春になる!」
「冬が去ったら何処へ行く?」
「くるっと回って地球の裏側!」
「それじゃあ冬休みが終わったら?」
「まだ宿題が終わってません!!」
‹冬休み›
片割れだけを持っている
あの人から貰ったものだ
両手で違うデザインで
だからお揃いにもならない
あの人の冷たい手から
固く凍った手から貰ったものだ
握り締められたもう片手は
どうしても取れなかった
あの人から貰ったものだ
今も白に埋もれ息を止めた
あの人から貰ったのだ
‹手ぶくろ›
「ね、大人になっても一人だったらさ」
「えー?ふふ、大丈夫だよ」
「嘘は生涯一回こっきりだもの」
‹変わらないものはない›
「今日ってクリスマスなんだって」
「なにそれ」
「どっかの国の神様の誕生日?」
「うわ面倒前提の話来た」
「木を光らせて祝ったらしいよ」
「豊穣の神かなんかだったの?」
「厳冬期っぽいから多分違う…?あと、切株に
白脂肪と赤草の実つけて食べるんだって」
「うぇぇ……正気……?」
「宗教上の決まりとかあれそれだと思う。
食べない時期あるやつとかあるじゃん」
「あぁ……それに比べれば食べられるだけマシかぁ」
「あ、あとでかい肉食べるって!でかい肉!」
「それ言いたかっただけだろもう」
「良いじゃん。この間のもうそろそろでしょ!」
「はいはい、じゃあ特別ってことで頭部割ってくる」
「やったー!ヒト種の脳って美味しいよね!」
「それは同感」
‹クリスマスの過ごし方›