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11/4/2024, 5:29:56 AM

鏡に対して「お前は誰だ」と問うてはいけない
自己崩壊してしまうかららしい
鏡に対して「褒める」行動はしたほうが良い
自己肯定感を上げられるかららしい
私は見ない鏡を見ない
そんな怖いもの見てられない

‹鏡の中の自分›

11/2/2024, 1:52:08 PM

「……うん、そう。よかったね」
「ん?ふふ、そうね。明日もいい日よ」
「大丈夫、きっと楽しい夢を見れるわ」
「うん、うん。おやすみなさい」

「……おやすみ。どうか、いい夢を」

‹眠りにつく前に›


不変は退屈で
停滞は焦燥
不動は無理で
継続は困難

「だから永遠なんて人には叶わないんだ」
「……叶わない筈、だったんだよ」

‹永遠に›

10/31/2024, 1:00:41 PM

「好きな物を好きなだけ食べて」
「好きな時に好きなだけ寝て遊んで」
「好きな人と好きなだけ一緒に居られる」
「そんな夢みたいな世界が有ったとして」
「それでも『好き』が一致しない時」
「あるいは『嫌い』が一致しない時」
「そこは容易く天国から」
「無限の地獄に変化する」
「例えばお菓子しか無い世界の甘味嫌いみたいに」
「例えば性交が自由な世界での性嫌悪みたいに」
「例えば皆で騒ぐ世界で一人でありたい人みたいに」
「例えば誰も死なない世界の殺人愛好家みたいに」
「例えば個性重視の世界でお揃いしたい人みたいに」
「例えばこのどうにもならない世界での君みたいに」
「すべては善悪じゃなく」
「ただ好悪だけで決まっていく」
「だから」
「万人にとっての必ずの幸福は叶わない」
「『幸福』の形は誰もが一致はしないから」

‹理想郷›

10/31/2024, 10:22:05 AM

ふと、子供の騒ぐ声が聞こえた。
賑やかな表通りから数本、人の目の少ない物陰で。
声だけでなく聞こえた音に思わず口を噤むと、
店から出てきた連れが、視線を辿って笑みを零した。
「やんちゃさんかな?」
「……今の時代は許されんよ」
数枚の写真と少しの動画を転送するに留める。
正義感だけはイカれてる馬鹿だから、多分何か
するだろう、と問題転嫁を決め込んで。
さもないと。
「そういえば、しばらく見てなかったかも」
絡んだ指先が爪を立てる。生涯消えない火傷痕に。
「ね、明日も休みだったよね?」
加虐の悦に濡れる声。その恐怖に立ち竦む間は。
「……お前が、壊したくせに」
この隣から逃れることは出来ないのだと。

‹懐かしく思うこと›


「あら、いらっしゃい。ここまでお疲れ様。」
「そうよ。私の物語は、ここでおしまい。
 私だけ生き残って、私だけ救われてしまった。」
「……ごめんなさいね。」
「あなたはこれから戻るのかしら。」
「この物語の、一番最後の分岐点。」
「きっとこうはならなかった筈の、未来の物語。」
「その未来なら、皆は生きているかしら。
 ……あの子は、笑えているかしら。」
「それだけでいいの、私がいなくても。」

「……それとも」
「あなたは、もうあちらの物語を辿り終わって
 此処に来たのかしら。」
「何かを期待して、こちらに来たのかしら。」
「いいのよ、言わなくて。私にあちらの物語を
 知る権限がないだけなの。」
「でも、そうね。そうだったとしたら。」
「私、一人でも頑張って生きるわ。
 あの子に救われた命で、時間だから。」
「だから、心配しないでね。」

‹もう一つの物語›

10/28/2024, 11:56:19 AM

「此処が暗いというならば」
 「君は光の中にいたのさ」
「此処が明るいというならば」
 「君は闇の中にいたのさ」
「この薄明が安心するなら」
「この薄闇が心地良いなら」
 「それは否定されることでもないさ」
 「生きやすい場所で息をするのさ」

‹暗がりの中で›

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