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9/8/2024, 9:36:20 AM

赤が舞い
黄が散り
茶が落ちる
はらりはらはら力無く
くるりくるくる風の中

降り積もった道の上
暖色のカーペット
枯れを踏み砕き
萎れを潰し鳴かせ
全て土ヘと還す様に

夏色を脱ぎ去り
秋へ手を伸ばす

‹踊るように›

9/6/2024, 11:51:07 PM

もう朝だよ、と声がする
手を伸ばす先、仄かに笑う音
そろそろ出る時間だよ、と声がする
慌てて濯ぐ口、焦らなくても大丈夫
もう切り上げたら、と声がする
上げた視線の先、疲労の重み
ご飯食べないの、と声がする
見つめていた画面、柔い目隠し
寝る時間だよ、と声がする
一人切、温かな布団の中
私を生かす声がする
私の好きな音がする

‹時を告げる›

9/5/2024, 10:42:46 PM

海を聴く
硬い外殻に耳を合わせて
波を聴く
空っぽの虚に雑音を響かせて
声を聴いた
あの日遠く泳いで行った
小さく消えた君の髪を

‹貝殻›

9/4/2024, 11:30:37 AM

狐の嫁入り
架かる虹
雫華やぐ空の下
いつも君を思い出す

‹きらめき›


紙の一枚
髪の一本
皮の一枚
息の一つ
瞬の一秒

それだけの
それだけなのに
たったそれだけで
届かない

‹些細なことでも›

9/3/2024, 9:57:57 AM

湧き上がる感情が勇気だと
震える拳が興奮だと
正義と秩序を謳い立つ君の背に

それは恐怖であり
それは憎悪であり
紛う事なき危険信号であることを

告げるには
少し
情を掛け過ぎてしまった

‹心の灯火›

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