彼氏が出ていった
年下の彼氏で、1年前に私の部屋に引越してきたんだ
結構上手くいってた気がするんだけどな…笑
ただの思い違いだったみたい笑
1年前まではこの部屋に1人が当たり前だったのに
今は広く感じる
あぁ、私にとってあの人はこんなにも当たり前の存在だったんだなって、改めて気付かされる
あと少しでクリスマス
街全体がクリスマス色に染まり、カップルをよく見かけるようになった
私もあの中の1人だったのに
今は見ると悲しくなる
ふふっ笑
1人でも生きていけると思っていたんだけどな〜
本当に別れてわかっちゃった笑
あーあ
「寂しいな、泣」
お願い、帰ってきて…
「冬は一緒にさー、スケートでも行かね?」
「は?」
なんで俺がお前と行くんだよ笑
「彼女出来る予定だからむり」
「なんでだよ!笑」
「行こーぜ!」
俺はこいつと幼馴染でずっと一緒にいた
けど初めてこんなこと言われたからちょっとだけ、びっくりした
「お前モテるんだから彼女くらいできるだろ」
「いやー、今そういうのいらないって言うか、前の彼女でちょっとしばらくいいなって思ったわけよ」
「だからしばらくは友達とばかやるの!!」
こいつ、前の彼女とごたごたがあって別れたんだ
相当だったんだな
「じゃあその時俺に彼女がいなかったら行ってやるよ」
「言ったな?!約束だぞ!!笑」
そう言ってたのに──────
「なぁ、一緒にスケート行くって言っただろ?」
「何寝てんだよ」
「なぁ!!!」
あいつは事故にあって死んでしまった
呆気なく逝ってしまったんだ
「俺彼女作らなかったんだぞ?」
「お前とスケートして、ばかやって、色々したかったから!!!」
なのに、なんで、、、泣
なんでこんなはやく逝ったんだよ、
冬は一緒に、色んなことしたかった、、
「あの子がね、彼氏できたんだって!嬉しいよね」
「あそこのクレープ美味しかったよ!」
「私この曲大好きなんだ〜笑」
毎日楽しそうにとりとめのない話をしてくれる
僕も聞くのが楽しくて、そんな君を愛しく思う
でもなんでかな
君は自分が辛いことは話してくれないんだ
他人のことを第一に考える優しい人だから自分のことを後回しにするんだろうな
「ねぇ、話聞くよ」
「我慢して辛かったね」
ぽろっ
君の瞳から1滴の涙が零れ落ちた
「ごめん、私今、辛くて…泣」
目元を擦って涙を止めようとする君
「僕の前では我慢しなくていいよ、沢山泣こう」
「大丈夫、僕を頼ってよ」
「う、うわぁぁぁあん泣」
誰よりも優しい君だから、溜め込んでしまうんだ
これからはもう少し、僕を頼って欲しいな
どんな君でも愛してるよ
僕は咳をしながら教室に入った。
実は今日、朝起きた時からだるかったんだ。なのに来たのはあの子がいるから。
おしとやかで優しくて、可愛いあの子のことが僕は好きだ。けどアプローチなんかできっこないからこっそり教室内で見るだけ。
そりゃ付き合いたいとも考えるけど、僕なんかは無理だ。根暗でコミュ障、おまけに顔も下の中くらい。あの子に釣り合うわけない。
今日も明日も明後日もずっと、僕は同じ教室にいれるだけで幸せだ。そう思っていたけど…。
-2限目-
「ごほっごほっ」
咳が悪化してきた。熱も出てきたようだ。
「ねぇねぇ、もしかして体調悪い?」
……!!! 話しかけられた?!
あ、早く答えないと。
「えあ、そ、そうです…」
緊張して吃ってしまった…。あの子の口が動く。
「だったら保健室行こ!心配だからついてくね」
ああ神様、こんな幸せでいいんでしょうか。
僕のことを心配してくれてる、本当に最高だ。
今朝、風邪とわかった時は最悪だったが…
風邪ひいてよかった…!!!!