お題:夜の海
なぜ、夜なのか?
なぜ、海なのか?
昼の海は好きじゃない。
自己肯定感が高く、人に迷惑をかけることを何とも思ってないような奴らが集まる気がしてならないのだ。
必要以上の笑い声、自分の人生には無縁な色つきサングラス。これら2つがチケットになり、ようやく訪れることができるのだ。
無論、持っている筈がない。
夜の海はどうだろうか?
独り感傷に浸りたくて、波を眺めている人をイラストでもドラマでもたくさん見てきた。
キャラの心情からすれば海と何か関わりがあるからこそ、自然と足が海に向くのだ。
自分はというと、「独り感傷に浸る為だから」とある種の自分を守る盾を用意し、キャラの真似事をしたくて夜の海にいく。
キャラの真似事をしたいと正直に思うのが恥ずかしい自分と自然とそこに足が向かないことに情けなさを感じる自分がいる。用意した盾はこの"自分達"から守る為である。
夜の海には予想していたよりも人が独りでいる。
みんな自分から自分を守っているのだろうか。
お題:自転車に乗って
2台のトラックが猛追してくる。
フルフェイスを被った男の表情はわからないが、足の回転から何か事情があるのを察する。
自転車の後ろの部分に跨がる少女は男の腰回りで自分の両手を繋ぐ。
と、そこで自転車のタイヤにガタが来て、自転車と男女2人が高く宙を舞う。
謎の黒ずくめの男達が、橋から河川敷へと放り出された少女を探しだし、恐らく"頭"らしき男の前へ連行する。
少女はその黒ずくめの組織の一員だったのだがそこを裏切り抜け出したところを捕まってしまったのだ。
頭が少女へ裏切りの制裁を加えようとしたその時。
ピキュイーーーーーン
少女、頭、黒ずくめの男達の視線は一斉に河川敷の土手沿いに集まる。
男はこちらを見下ろしていた。
頭は少し嬉しさの籠った驚き声で言う。
「バッタオーグぅ、完成していたのですか!」