【一線】
私の心の中なんて誰にも分かりやしない。
友達も恋人も先生も分からない。
そもそも分かってほしいなんて思わないから
だからこれ以上踏み込んでこないでって
いつも線を引く。
だって結局は血が繋がってなければ他人だし、
これ以上私に近づかないでって、
なのに踏み込んでくる人もいて、
いつも思う"私を一人にしてよ"って。
【ありふれた子】
私は特別容姿に優れている訳では無い
特別勉学に優れている訳でもない
特別運動が出来る訳でもなければ
特別愛嬌がある訳でもない
何もかも"普通"なのだ
なぜ神様は私を作ったのだろう
せめてもっと"個性"がある子にして欲しかった
せめてもっと"ありふれてない"子にして欲しかった
神様がなぜ私を作ったのか
それは神様しか知り得ないのだけれど
【馬鹿な男】
好きだった
だから離れたくなくて
ただ体を重ねるだけの関係でもよかった
でも彼は彼女がいても会ってくれて
"お前が1番だよ"
って言ってくれて幸せだった
だから、離れたくなくて
浮気でもいいから会いたかった
あの日、見ちゃったの
彼が彼女と結婚式場に行くとこを
そのことを彼に問い詰めると
彼は私を軽蔑して、
"分かってくれてたんじゃなかったの?"
って、あー、私初めから騙されてたんだ
それでもまだ彼が好きなんて
ほんと馬鹿な女
失恋するぐらいなら
初めから出会いたくなかった
そんな馬鹿な女に捕まるなんて
彼も大概、馬鹿な男。
【裏側】
かわいいあの子はいつも長袖を着ている
半袖でも上に上着を着て
夏でも冬でも関係ない
そのせいで色んな噂が流れる
[虐待されてるらしいよ]
[俺は、超腕毛濃いって聞いたけど笑]
あることないこと言われてる
しかし何を言われても彼女は凛としている
そんな彼女に俺は惚れている
だからあの日
彼女の長袖の下を見た日から
俺はおかしくなったのかもしれない
清楚という言葉が似合う彼女の身体中には
大量のタトゥーがほられている
たまたま道路で見た目を変え
タバコを吸い酒を呑んでいる彼女を
見てしまった俺に彼女は言った
「あーあ、見られちゃった…笑」
そんな裏側を知っても尚、
彼女に惹かれ続けている
【理想】
理想のわたしは
みんなから愛されて
いつも笑顔で
何をしても高嶺の花
でも現実の私は違う
醜くて汚れてて
誰も私を気にしない
きっと死んだって分からない
いっそ死んで
理想の私になれたりしないかな