あるくあるく 歩く歩く
あの人を追いかけるために
どんどん どんどん
あの人の隣へいくために
足の速いあの人は
ぐんぐん ぐんぐん 進んでいく
背の高いあの人は
カチカチ カチカチ 歩いていく
足の遅いわたくしは
コチコチ コチコチ 進んでいく
ああ 嗚呼 秒針さん
あなたと重なったその時に
時間が止まってくれたなら
「時間よ止まれ」
自分が綺麗だと思ったものを見せたくなるのが”愛”だと
どこかで聞いたことがある
満点の星
眩いほどに輝く夜景
空に馴染むように昇っていく太陽
息を呑むほどに真っ青な青空
青、水色、紫、赤、オレンジと変わっていく夕焼け
ああ 君に伝えたい
「夜景」
「悩み無さそう」
「頭の中お花畑」
「現実逃避」
うるさいうるさい
うるさいうるさい
俺の花畑は生まれてからずっと
知識という名の栄養を与えて
笑顔という名の日光を浴びて
大事に大事に育ててきた1級品だ
お前らが呑気に過ごしている間に綺麗に花を咲かせたんだ
花を少々拝借して
茎を整え
柔らかなシートとフィルムで包み
リボンを付けた
華やかで儚げな俺の発想力でいつか見返してやる
「花畑」
1分ごとにスマホを開いて通知を見る
YouTubeの動画があがったらしい
またスマホを伏せる
そわそわ そわそわ
課題なんか何にも進まなくて
いっそのこと通知をミュートにしてみる
そしたら30秒ごとになって
ヘッドホンをして好きな音楽をかける
何も聞こえないように
だけど頭の中は君のこと
「言葉選び間違ってないかな」
「キモいって思われたらどうしよう」
「もう寝ちゃったのかな」
ああもう落ち着かない
「君からのLINE」
「この命が燃え尽きたとしても君を、この国の人を守りたいんだ」
あなたはそう言って笑った
自分なら大丈夫だからと
君の幸せが俺の幸せなんだと
なぜあなたが私の幸せを決めるの?
私の幸せは私が決める
私はあなたに命をかけて守って欲しいなんて思ってない
ただ一緒に食卓を囲めたら、隣で笑ってくれたら
それだけでいいのに
「命が燃え尽きるまで」