君の奏でる音楽
君の唇が言葉を紡ぐ
そのひとつひとつが
音楽のようになめらかに
僕の耳に届いてくる
赤らんだ頬と
くるくる回る瞳
心地よくて目を瞑る
ああ、もっと話して欲しい
君の心の欠片を
たくさんちょうだい
一瞬の休符
君が怒ったように僕を揺する
ごめん、と一音
もっと聞かせて、の一小節
君の幸せな言葉のリズム
上手くいかなくたっていい
上手くいかなくたっていい
とは言うけども
これまで上手くいったためしなんてありましたっけ?
全然思い通りになんないし
体が気持ちに追いつかないし
周りだってみんなして僕の邪魔してるような気がしちゃうし
上手くいかなくたって
挑戦することが大事って言うんでしょ?
そんなことわかってる
みんなが知ってる
だから毎日の挑戦を誰も褒めてくれない
当たり前のことらしいから
上手くいかなくたっていい?
上手くいくはずないだろう?
でもこんなに頑張ってんだからさ
仕方なしにまた呟く
上手くいってくれても、いいんだよ?
最初から決まってた
結果は最初から決まってたんだ
全部決まってる、俺なんかじゃどうしようもないほど
そうだ、じゃあもう全部やめてしまわないか?
だってそうだよ、どれだけ努力しても苦しんでも、
変わりっこないゴールがもうしつらえてあるんだ
何もかも無駄に思えないか
俺が何をしても変わらないんだ
それならいちばん楽な道を行こう
とことん逃げて、逃げて逃げて逃げて
「最初から決まってた」
魔法の言葉で諦めちゃえばいい
それなら納得出来るんだろう?
………。
そうやって諦められてたら
楽だったんだろうけど
相変わらず愚痴吐いて進んでる
進んでしまってる
太陽
暴力的な太陽の光が外を焼いている
その熱をカーテン越しに感じながら今日も部屋に寝転がる
クーラーの人工的な涼しさが体から必要以上に熱を奪う
適当に流していた音楽は気づけば知らない曲になっていた
何もかも気だるくて動けない
額の汗はもうすっかり引いたけれど
体の内側から生命力的なものがずっと流れ出ている気がする
すごく幸せな瞬間な気もするし
苦しいくらいしんどいような気もする
太陽は今日も照っている
空もたぶん綺麗なんだろう
また眠気がやってきて軽く目を閉じる
ありきたりな夏の一コマ
つまらないことでも
つまらないことでもちゃんと言葉にしたい
できるだけあなたに
私の中のそのままが伝わるように
私は心に浮かぶ色んな気持ちを必死に捕まえるから
そうしたら
いちばんにあなたに見せに行くね
上手く言えないと思うけど
いつもじっと耳を傾けてくれるあなたの表情が
私は大好きだ