それでいい。
それでも戦え。
#あの頃の不安だった私へ
明日なんて要らなかったよ、
素晴らしい物なんて無いだろ。
疲れ果てて、眠るように消えるんだ。
今日もそんな物だった。
夢見るたびに消えるなら、
それは無いのと同じだと、
泣き腫らした目で語るのか。
それがあんたの明日なら、
それにどれほどの意味があったと
攻めたてる昨日が追い立てる。
逃げるように去ろう、
さよならを言い訳に、
来る明日を言い訳に。
出会いは別れの言い訳か、
それにするのは俺の弱さか。
若草の色が懐かしい、
それも俺の弱さか。
新緑は弱さを置き去りに、
ただ俺を慰めるように蒼かった。
#昨日へのさよなら、明日との出会い
その目が嫌いだ。
慈愛に満ちた様な素振りで笑う、
貴方のその目が嫌いだ。
その手が嫌いだ。
温もりなど欲しくはないから、
貴方の暖かい手が嫌いだ。
哀れみなど欲しくないからと、
遠ざけても追ってくる。
貴方のその足が嫌いだ。
焦がれていた気がする言葉を
歌のように口ずさむ、
貴方のその口が嫌いだ。
その目が嫌いだ、哀れみではなく、
ただ無垢で透明な、薄い蒼に染まる目が嫌いだ。
その澄んだ、狂いそうな蒼が憎かった。
#優しくしないで
貴方からは何も頂きませんでした。
命以外は何も。
恨み言を述べたいのではありません。
私は施しは欲しくはありません。
叶うのなら一つだけ、
ただ、見ていて。
父なる貴方へ。
一つだけ祈りにて賛辞を。
命に纏わる事柄の全てへ。
#神様へ
私の心象とは裏腹に、
春の空は腹立たしい程に快晴で。
嫌味の様に照り付ける陽射しは、
私の醜さを露わにするように思えた。
足早に消えよう、暗がりへ帰ろう。
家路を急ぐ、足取りは重く。
疲れた頭は要らないことを思い出す。
美しく思えた日を、
幸福と思えた日を。
そういえばさよならも言えなかったな。
要らないことを思い出す。
心象とは裏腹に、春の空は快晴で。
祈りの言葉を探してる。
それは思い出せなかった。
#快晴