10/28/2022, 10:57:23 AM
光を見ていた。
真っ暗な部屋の中で、窓から見える月が。
果てもなく遠くて、余りにも美しくて、
とても羨ましかった。
どうか照らさないでくれ、
醜さを露わにされる様で耐えられない。
それはもう要らないから、
私にはもう要らないから。
影で見れるならいいよ、
暗がりにてお前の光が見れればいい。
お前みたいになりたかったよ、
優しい光で誰かを包み込む様な何かに。
そうなりたかったよ。
#暗がりの中で
10/27/2022, 10:29:48 AM
午後の晴れた日は中庭で待ち合わせ。
貴方はいつもそこで待っていた。
ダージリンと、焼き立てスコーンの甘い香り。
微笑んだ貴方は絵画の様に美しかった。
今はもう、そこには無い。
青い春と呼ぶに相応しい、昔の思い出。
#紅茶の香り
10/26/2022, 10:44:26 AM
恋は言葉にてもなるが、愛は言葉にてならず。
早にならば恋もあろうが、それは末にて愛にはならず。
溶けていく体温に言葉は無粋か。
ただ合いにて愛を知る。
#愛言葉
10/24/2022, 11:31:02 AM
遠ざかる景色に憂鬱を感じる。
過ぎ去って行くものに示す感情は無意味か。
故郷への郷愁も記憶の中の貴方さえも、遠ざかって行く。
痛みや慈しみも、悲しみや怒りも。
もはや朧気な思い出と成り果てた。
行くなと言えば良いのか、
それも無意味と知っていた。
口遊むのは別れ唄、別れは駅の車窓にて。
#行かないで
10/23/2022, 10:41:21 AM
どこまでも続く青い空、雲一つないその青が、
酷く不快に思えたのは、私の卑屈が原因か。
あの青に見下されている様に思えて仕方が無い。
いっそ赤く燃えれば良い、この身すら焼ける様な、
燃える様な赤なら尚の事好い。
見下されるよりは、焼け落ちる方がマシだと、
自意識の勝った自分に酔って、
酔いを自責する自分に酔うのだ。
いよいよ救いのない日々だ。
いっそ、あの青に染めてくれ。
見上げた青空は深く青いまま、果てまで続いているように見えた。
#どこまでも続く青い空