入木

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10/26/2022, 10:44:26 AM

恋は言葉にてもなるが、愛は言葉にてならず。
早にならば恋もあろうが、それは末にて愛にはならず。
溶けていく体温に言葉は無粋か。
ただ合いにて愛を知る。

#愛言葉

10/24/2022, 11:31:02 AM

遠ざかる景色に憂鬱を感じる。
過ぎ去って行くものに示す感情は無意味か。
故郷への郷愁も記憶の中の貴方さえも、遠ざかって行く。
痛みや慈しみも、悲しみや怒りも。
もはや朧気な思い出と成り果てた。
行くなと言えば良いのか、
それも無意味と知っていた。
口遊むのは別れ唄、別れは駅の車窓にて。

#行かないで

10/23/2022, 10:41:21 AM

どこまでも続く青い空、雲一つないその青が、
酷く不快に思えたのは、私の卑屈が原因か。
あの青に見下されている様に思えて仕方が無い。
いっそ赤く燃えれば良い、この身すら焼ける様な、
燃える様な赤なら尚の事好い。
見下されるよりは、焼け落ちる方がマシだと、
自意識の勝った自分に酔って、
酔いを自責する自分に酔うのだ。
いよいよ救いのない日々だ。
いっそ、あの青に染めてくれ。
見上げた青空は深く青いまま、果てまで続いているように見えた。

#どこまでも続く青い空

10/22/2022, 2:02:56 PM

衣を替えるように、心を変えた。
季節の変わり目には変わる程度の覚悟だったらしい。
雪が降るまえには逃げ出そう、
後を残さず、消えて行こう。

#衣替え

10/21/2022, 1:10:04 PM

「あの葉はいつ枯れて落ちるのだろうか」
イチョウの葉を見て呟いた私に、
小さい声が横から聞こえる。
「秋の終わりには落ちるでしょうね、
気づけば空も高くなりましたから」
そういう君の幼い横顔には老木の様な、
終わりに近づいた時の諦めに似た、落ち着きが見えた。
君はイチョウの葉を見上げて続ける。
「イチョウは良いですね、枯れて落ちる時が一番綺麗で」
純粋な羨望に満ちた声が嫌に悲しかった。
「時期に声も出なくなるそうですよ。
自分の声だけは好きだったんですけどね」
ただ終わりを待つ君は枯葉に似ている。
「せめて声が枯れるまでに落ちれたら良いのに」
秋風が吹いて、薄く色付いた葉を散らしていく。
「あぁ、やっぱり綺麗ですね」
その通りだと、私もそう思った。

#声が枯れるまで

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