※仲間になれなくて
スライムは1匹で、寂しく野原を歩いていた。
さっき出会った優しそうな青いターバンの青年を思い出し、少し涙目になる。
彼の周りには、自分よりずっとずっと強いスライムナイトやキメラがいた。
自分が青年に付いて行こうと近寄ったら、激しく威嚇されてしまい、恐怖のあまり思わず逃げてしまったのだ。
強くなりたい。そしたらきっと、自分も一緒に行けるはず。
毎日毎日、他のモンスターと戦い練度を上げながら、進化できるように祈り続けた。
そして幾年月――
スライムベホマズンになったスライムは、彼から念願の言葉を手に入れた。
※雨と君
最早、夏の雨など期待できる時代ではない。
それこそ大昔に呪いとか何とかで雨乞いしていた時代のほうが幸せだったのではないだろうか?
現代は科学の力で何でも把握できてしまっているから。
だと言うのに、君は。
「雨乞いの魔法〜!雨乞いの魔法〜!」
タップダンスのような踊り??を披露しながら、ありもしない魔法という技術に頼るのだな。
ちなみに俺も一緒に踊っているのは、好かれたいからだ!
※誰もいない教室
やっぱり定番は放課後、と言いたいところだが。
昨今、放課後に教室に残るのは無理と聞く。
という事は教科教室で授業中にこっそり戻ってくる
くらいしか手段がないのでは????
でも私が学生の頃、それする輩を捕獲するために
ひたすら廊下や空き教室を巡る先生がいたのよね。
今はどうなってんのやろ?
※信号
日本には八百万の神がいるのだから……という言い訳を思い付き、俺は信号の神様に質問した。
「このまま帰宅したほうがいいですか?」
次の信号が青なら帰宅。
赤なら残業のフリしてドライブだ!
(どうして帰宅したくないのだろうか俺は)
※言いだせなかった「」
寝不足で頭が回らなければ、と自分に言い訳する。
仕事に追い詰められて。
食事もコンビニ弁当の日々で。
休みの日も休んだ気持ちになれなくて。
だから、言えなかった。
「同棲したい」だなんて。
家政婦が欲しい……と言っているようで。