※君の声がする
誰かを忘れていく時、人は音から忘れていくらしい。
だからこそだろう。
記憶媒体に録音を求めていったのは。
最初は素敵なオーケストラだったかもしれない。
時代が進み、記憶媒体も成長した。
デジタルタトゥーに気をつけてね!
と子供に教え込まなければならないほど
記憶媒体が便利になりすぎた。
これだから人間という思考するバカは……。
※ありがとう
私は入院生活で、ありがとうと看護師さんによく言っていた。感謝を伝える語彙が少なくて。
だが、病棟移動した先で、この言葉が災いになった。
「〇〇さんってさぁ、いつもありがとうばっかりでウザイよね、苦手。今日担当なのマジで嫌」
「すっごい気持ちわかる。ウザイよね」
私が気晴らしに散歩に出ようと、病室の扉の前に立ったそのタイミングで看護師さんが愚痴っていた。
運悪く私の部屋の前は介護用品の備蓄部屋で、なかなか立ち去らない看護師さんたちは、私に対する苦情をつらつら言い放っていた。
病院長直通のポストに、初めて感謝以外の手紙を入れた。悲しかったと。
一期一振推しの担当医に相談したら、いつもの一期口調がなりを潜めてしまった。
私に大丈夫だと言って病室を出ていった後、いつも優しい担当医の怒鳴り声が聞こえて怖かった。
それも予想済みだったのだろう。翌朝、担当医は「おはようございます鶴丸殿!今日は血漿交換の日ですぞ!」と、いきなり笑いから会話をしてくれた。
担当看護師さんと看護助手さんは、一目でベテランとわかる方だけになった。
とても助かったのを覚えている。
でも、未だに。
命を救う為に世話をしてくれて、ありがとう。
それ以外に、どう感謝を伝えれば良かったのか。
未だに、わからない。
※そっと伝えたい
昨日のお題を書いた自分へ
今日はどこも激混みだったよ…超疲れたよ
※未来の記憶
「こんにちは、あるいはこんばんは。明日の私です」
「今日は色んなことがありました」
「まず昨日より天気が良かったです」
「いつもより、ゆっくり目覚めた朝でした」
「私は整形外科の病院に行きました」
「今日は空いていて何よりでした」
「お昼ご飯が面倒でしたが、冷凍弁当を食べました」
「昼寝中に冷凍弁当が届いて冷凍庫をパンクさせました」
「晩御飯は味噌煮込みうどんでした」
「腎臓に優しくない食事なので、冷凍弁当になりました」
「昔は美味しかったのに……と今日も思いました」
「これくらいでしょうか?それでは。昨日の私へ」
※ココロ
VOCALOIDで
トラボルタPの「ココロ」という曲があります
とても好きでとても好きで
カラオケで一生懸命練習していますが
どうしても高音の声がおかしくなるんだよ
キーキーうるさいか、鼻にかかった声楽風?か
ソプラノの声の出し方を完全に忘れてしまった
ココロが技術も覚えていてくれれば良いのに……
脳だけではキャパが足らないのよ