実は昨日、魔女の宅急便を見たんですよ。
そうなんです、娘がまだ小さいので、本当にヘビロテですよ。
そのね、始まりがこれなんです。
雲が流れる大空を見ながら、寝転がる、キキ。
これね、この後、キキは旅立つんです。
13歳の魔女の試練として。
それをね、ウチの娘5歳は完コピなんです。
ワタシもね、父親役やるんですよ。
「ワタシのカワイイ魔女をみせておくれ」
っていうシーンやるとき
何回もグッとくるんです。
ええ、昨日も来ましたよ。
何? 結論?
寝転がって、雲が流れてたら
つらいよね・・・
え? なに?
ありがとうって言いたかったけど、言えなかった話?
うーーん
この前、知らないじいさんがさぁ、当たってるのに席立ったからそのまま打たせてもらったのよ。
それのありがとうはあるよな。
うん? ああ、パチンコパチンコ。
そうそう、球のほうね。
他?
ああ、スロットもあるよ、スロットも当たり確定でてんのに、おばさん帰っちゃってさ、ありがとうっての言いそびれてるのよ。
他?
そうねぇ、トイレ行ったら、しらないおじさんがよ
「次、3-7な」って急に言われて、それ買ったら当たりよ。あ、馬ね馬。舟とかチャリはやらないのよ。
あのおじさんにはありがとうより、次は何って聞きたいよな。
うん?
もういい。ああそう。
ありがとう? いいってことよ。
高校時代に野球に明け暮れた俺たちは、久々にその時の監督と飲む事になった。
なんと、俺たちが出場して以来10年ぶりの甲子園出場、そしてベスト8という好成績を残したからだ。
はじめは照れくさそうにしていた監督。
俺たちも
「監督、丸くなりましたね。昔はもっと怖かったですよ」
や
「監督、優しくしないでください。もっと怒って下さい」
など、和気あいあいとしたものだった。
最後に監督は目に涙を浮かべ
「お前達の代で甲子園に行けるのは最後だと思っていた。それが今年行けた。さらに、お前達にここまで祝って貰えた。ワシはワシは、こんなに幸せな事は無い」
その言葉に皆、下を向き頷いていた。監督の涙を見たのは甲子園で負けたあの日以来だった。
そこへ、間が悪く、居酒屋の店員が入ってきて
「すいません、ラストオーダーになります」
一瞬空気が緩んだ瞬間だった。
そしたら1人の人間が
「すいません、生中1つ」
すかさず
「お前は皆の分の注文も聞け!」
監督のツッコミが入った。
あの頃の監督を見ているようだった。
これ!これ!
座が一気に湧いた瞬間だった。
監督まだまだお元気に、あと何年も甲子園目指して指揮してください!!
あ、ちょっと新人君、こっち来て。
君ね、クライアントと打ち合わせして、要望聞いてきたの。
これね、0点。
やっちゃダメな事してる。
うちの先生に見られたら、めちゃ怒られてたよ。
特にこれね
『カラフルな感じ』
カラフルって色は無いの。
イヤでも色の追求はするから、どういう方向性かを聞いてこないと、色なんて無限にあるのよ。
これなら、聞いてないのと同じ、いい!!
はい、あっち行って。
うん? 何?
お弁当?
何があるの?
幕の内・・・
あのね!
え、先生のリクエスト
・・・
・・・
いただくわ。
ああ、そこでやれば絶対成功すると思ったんですね。
そうですね、その場所でやってた人は凄かったですもんね。
そこをそのまま譲り受けて、同じようにやれば良いと。
あなた、この道何年ですか? 20年。
私、門外漢ですけど、その仕事ってそんなに甘いもんですか?
ですよね。
そういう方、多いんですよ。
いわゆる楽園幻想。
どこかに素晴らしい楽園がある。そこに行けば万事オッケーみたいな。
違うんですよ。
自分がいる場所を楽園にする事なんです。
前の人にとっての楽園はあなたにとって、楽園かどうかなんてわからないんですよ。
さぁ、作りましょう。自分の楽園を
そして・・・
あ、帰っちゃった・・・
まだ続きが・・・
そしてまた壊し、そしてまた造る。
それが人生です。
そこまで、聞かずに・・・
またどうせ来るか。