進藤路夢

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高校時代に野球に明け暮れた俺たちは、久々にその時の監督と飲む事になった。

なんと、俺たちが出場して以来10年ぶりの甲子園出場、そしてベスト8という好成績を残したからだ。

はじめは照れくさそうにしていた監督。
俺たちも
「監督、丸くなりましたね。昔はもっと怖かったですよ」

「監督、優しくしないでください。もっと怒って下さい」
など、和気あいあいとしたものだった。

最後に監督は目に涙を浮かべ
「お前達の代で甲子園に行けるのは最後だと思っていた。それが今年行けた。さらに、お前達にここまで祝って貰えた。ワシはワシは、こんなに幸せな事は無い」

その言葉に皆、下を向き頷いていた。監督の涙を見たのは甲子園で負けたあの日以来だった。

そこへ、間が悪く、居酒屋の店員が入ってきて
「すいません、ラストオーダーになります」

一瞬空気が緩んだ瞬間だった。
そしたら1人の人間が
「すいません、生中1つ」

すかさず
「お前は皆の分の注文も聞け!」
監督のツッコミが入った。
あの頃の監督を見ているようだった。
これ!これ!
座が一気に湧いた瞬間だった。
監督まだまだお元気に、あと何年も甲子園目指して指揮してください!!

5/2/2023, 8:19:19 PM