精算しきつた過去のかほりを
また付けるにはあまりに野暮だらう

教育は差別をするために、慈恵は格差を生むために
不平等は、あればある程儲かるので

大して旧くもない思い出が、セピア色になって甦る
あゝあの頃が、ずっとずっと遠いよう

明日の神は明日に決める

私を産み育てた総てから、
どうにか距離を置きたかった
だけど熱に魘されてみた夢は
忌々しいあの故郷じゃないの

ああなんてこと、なんてざま！
死に物狂いで逃げてきたのに、
辿り着いたのは結局此処だ
夢が醒める前に捨てさせて
帰りたいだなんて幼稚なこころ


《夢が醒める前に》