遊んでいた。
それもスリル満点の遊びを。
一人ひとりが危ない目に遭い、もう辞めようと話していたのに、一人がまた遊びはんぶんで遊ぼうとした。
止めに入った子も巻き込まれ、そこにいた全員で遊んだという。
だがその場にいた人が何かにより死亡。
一人だけ残っていたらしい。
一年前の出来事だがいまだに死亡理由は分からないみたいだ。
その場にいた一人は、スリル満点と呪いがかかったようにその一言だけを言い続けたそうだ。
その一人は事件があった数日後に亡くなったらしい。
誰もがどこかに飛べない翼を持っている。
顔に、身体に、心に。
もっと細かく言うと、頭、目、鼻、口、肌…
沢山ある。だから誰もがどこかに飛べない翼を持っている。
頭の良さもそうだし、運動神経など、人には必ず自慢できないところがある。
でも、欠点だらけでいいんだよ。
そう思えたのもあの子のおかげ。
だから、またあの時の私みたいに苦しんでる人をあの子みたいに助けたい。
飛べない翼をどのように活かすかで変わってくるよ。後悔はないようにね。
「知ってた?ススキあるじゃん?あれ漢字で薄って書くらしいよ」
あの子が言った。
「それ、知ってたらなんかなるかな?笑」
「知ってて損はないと思う笑」
何気ない会話。
こうゆう日々が続いてほしかった。
ずっと脳裏に残っている。
あのドラマのワンシーン。
すごく鮮明に覚えている。
どうしてこんなに脳裏に残っているのかは分からないけど、忘れようと頑張っても忘れることができない。
怖い。そう思う。
いまでも鮮明に覚えている。
あの日、あの子が言った言葉とドラマのワンシーンの言葉。
完璧に一致している。
その時からかもしれない。
忘れたいと思い始めたのは。
でもまだ、あの子の言葉、ドラマのワンシーン、
"ずっと脳裏に残っている"
どうしてみんな意味がないことをするのだろう。
ふと、考えた。
でも答えはでなかった。
それも何故だろうと考えた。
でも、何を考えても何も分からなかった。
人を助けたり、自分を犠牲にしてでも相手と仲良くしたり。
相手に何かしてもらえなかったら、それをする必要はない。そう思った。
だからあの子に聞いてみた。そしたらなんて言ったと思う?
「ちりも積もれば山となるってことわざ、知らない?笑」
あの子はそう言った後に、
「私、いまだにそのことわざ信じてるんだよね笑」
「結局は信じた者勝ちなんじゃないかな。」
と言った。
でも私には分からなかった。
だからこれからたまに、あの子に聞いてみようと思う。
たとえ、意味がないことだとしても。