桜散る#57
木々が恋する儚い時期よ、写真におさまる準備は万端かな。
君の左手つかんで走り出した花道、春風が背中押してくれた。
何気ないふりはもうやめたんだ。涙なんて似合わないさ、笑顔の花咲かせようよ。ほら、笑顔のが素敵だよ。
恥ずかしながらにみせたその頬にも桜色が見え隠れして、そんな些細な表情でときめくなんてね。
嬉しさを満開に咲かせて彩ってこの一瞬をフィルムに閉じ込めて振り返れたなら幸せだよね。
君との縁を未来まで結んでいたいよ。
桜散る時になってもそれは変えたくない願いだよ。
快晴#56
今日は珍しく散歩をしようと私は外に出て空を仰いだ。昨日より青がよく見える。明日はどうだろう?曇天かな、それとも快晴かな?空の情緒はわからないけど明日も安定してますように。
言葉にできない#55
なんだこの気持ちは、わかんない気持ちだな。
大人数での行動はやっぱり誰といたってちょっと苦しい。別にいいんだよ、人は多い方が話しも膨らむだろうしさ。でも、やっぱり自分は二人がいいなって思ってしまう。人がいればいるほど比べてしまうから。劣等感に苦しくなるから。楽しみだったはずなのに気づいたら苦しくなっている自分がいて、緊張なんてする相手じゃなかったはずなのに変に気を張っていて。やっぱり自分って…みたいになっているのが嫌で仕方がない。言葉にしてみるけど本当の気持ちまでは言葉にできないからさ。なんだろうねこの醜い気持ちの正体って。
誰よりも、ずっと#54
静玖ちゃんへ
あの苺の日から丸々四年経ちました。
元気にしてますか?最近通話できてないよね。しーちゃんの声聞きたいな。この前話してくれてたイラスト可愛くて上手だったよね、しーちゃんが好きなアーティストのファンアートすごく可愛かった!しーちゃんももちろんかわいいよ!
これまでのお友だちの誰よりも、ずっと私のことを理解しようとしてくれたのすごく嬉しかった。ありがとうね。私にとって最高の親友だよ!
可愛い便箋買ったから久しぶりにお手紙書いてみました。また苺食べようね。
お手紙って今となってはちょっと恥ずかしいなって思ったよ。また遊ぼうね。
柚伎
沈む夕日#53
また今日もオレンジ色の空に変わって、校庭に広がった声がより大きくなった。私は新しい環境に慣れるのがどちらかといえば得意な方でガンガン話しかけちゃうタイプなんだけど、気づけば教室には私ひとり。
私は帰宅部を選ぼうか弓道部にしようか迷っている。どうして迷っているかというと部活に入ったら沈む夕日と校庭からの声が聞けなくなっちゃうからで…。私は放課後のこの時間が好きでその声をBGMにして読書をするのも好き。だから迷っているの。