3/13/2023, 12:15:16 PM
待ち合わせ場所、わたしの隣でずっと待っている人。かれこれ2時間は経っている。誰を待っているんだろう。綺麗に着飾っているけども。
と、わたしは思われているんだろう。
ずっと隣にいる人に。
3/11/2023, 1:21:55 AM
平(たいら)さんちの、愛ちゃんと和(のどか)ちゃんは、幼稚園で同じ子を好きになった。
言い寄られた子は、「どっちも好き」というので、ふたりは「どっちも好きな子は好きじゃない」と、すっかりその子への気持ちは冷めてしまったのだとか。
こうして愛と和は守られた。
3/10/2023, 3:48:58 AM
「過ぎ去った日々駅」は、過去から抜け出せない人でごった返している。駅前は郷愁でとてもとても美しいが、裏路地は、憎悪や絶望で目も当てられない。
「こちらの駅での長居にはくれぐれもお気をつけください」
今を生きる駅行きの発車時刻が迫っている。
3/8/2023, 10:04:58 PM
お釣りの千円札の中に、今は発行されていない夏目漱石がいた。
「君の小説は素晴らしい。私の小説もぜひ読んでくれないか」
と言うので、そのお札で彼の小説を買った。レジの中に入る瞬間、彼はにっこりと笑って手を振った。
3/7/2023, 12:23:34 PM
「月夜、月夜」
と恋人が言うので空を見上げると、オレンジの満月が恐ろしく綺麗で、見惚れてしまった。
そうしていると、繋いでいる恋人の手が何かを訴えた。
もしからしたらあれは、「好きよ、好きよ」と言っていたのかもしないと、別れた今では思うことがある。