ただ
信じていたかった

自分という存在には
まだ

可能性があると

無いわけじゃない
そう

自惚れている

でも

真っ白の
未来図を見るたび

いっそ

無い方が

無駄な期待を抱かないで
幸せに生きれると

思ってしまう

期待を忘れたら
本当の意味で死んでしまうのに

最後の散り際の
桜の花びら

ひらひらと
目の前を踊って

静かに落ちた

このひとひらに
何かがあるなら

それは少しだけ
ラッキーだ

君と僕のお別れは
突然だったけど

君が消えても

僕は何とも思わなかった



ぽっかりと空いた穴が
君を失った所為なら

どれほど
良かっただろうか

実際は、
君じゃなくたっていい

ただの心の隙間だから

元気かな…

思い出したのは

古い友の姿

もう
名前も思い出せない

たしか
春が似合う人だった

車窓から眺める桜は
葉桜になっていた

もう
どうでもいいよ

約束を果たせない
会うこともない

子供の
幼稚な約束だ

だから
私だけが覚えているのは

君が
大人になった証なんだ