脳裏に蘇るのは
あの日の記憶
脳裏に焼き付くのは
あの日の興奮
脳裏をよぎるのは
あの日、横に居た
あなたの笑顔
どこまで行っても
頭の中は
純粋過ぎる程に
正しかった
頭から
消えてはいけない物だと
正しく理解している
苦しくなったし
嫌になった
消えない記憶は
希望を残して
立ち去った
脳裏
追記
昔の友人のLINEを見て
何とも言い難い気持ちになった
彼氏とのツーショットが
アイコンになった
そのうち
二人の影の写真でも
載せるのだろうか
その子は…
おとなしい子だった
だった、はず…
昔はペットの画像が
アイコンだったのだ
私と同じで
…あれ?
私のLINEのアイコンも
すっかり昔の姿を忘れた
アニメやマンガのキャラで
埋められている
所詮、脳裏にある記憶は
昔の物なのだ
美しい記憶は
今の自分で
消え失せていた
そう言えば
進路書類の提出期日
まだだっけ?
自分の道を決めるには
子供の知識と経験じゃ
まるで当てにならない
かと言って
大人を当てにしても
一人一人
違う人生なんだから
アドバイスが噛み合う訳もなく
たかだか
二十ちょい少ない人生しか歩いていない
そんな子供に
これからの人生を決めさせるなんて
そんな無意味なこともない
なんて…
苦しくなったのも一瞬
夢の持ち方は
誰も教えてくれない
人生の正しい道は
普通という言葉に縛られている
正常な思考は
あるべき時に無い
あまりにも
悲しい話だ
だけど
それでも
その中に
数パーセントの正解を
導き出す人が居るんだ
…私だといいな
あなたとわたし
あなたとわたしの
違うところ
まず
周りの人。
子供の頃の周りの人って
なんだか凄く大人に見えない?
次に
環境。
人も生き物だからね
環境が悪いと悪くなってしまう
それから
夢。
一番アバウトで
一番重要
おまけで
才能。
あっても無くても
わたしの人生には…ね
色々言ったけど、違ったからって
あなたとわたしに何があるか
わたしにもあなたにも
分からないしね
なんの意味もないよ
しとしと
ついさっきから降り始めた雨
秋雨前線の影響だとかなんとか
ニュースキャスターが言っていたなぁ
傘をさして、
いつもの通りを歩く
雨が降ると、
同じ景色なのに
違うように感じる
声は無く
雨の音だけが聞こえる
目当ての店に入れば
しっとりとしたジャズが聞こえた
…喫茶店に入るのは
決まって雨の降った日だ
雨とコーヒーとジャズ
と、ふと聞こえた声
懐かしい思い出を
見つけた気がした
喫茶店で友達と話す
少女とも女性とも言い難い子
昔の私の様な子
彼女の様子は
昔の私と違って
満ち足りている様で…
雨だけが、柔らかく
私を許してくれる
帰りに傘はさせなそうだ
…雨に打たれて帰りたい
無性に苦しかった
何で私が
何で私が
ずっーと
思ってきた
あなたも、あなたも
私を救おうとする言葉で
いつも私を傷つけた
あなたも、あなたも
私を誘う言葉で
いつも私の世界を地獄にした
うるさい
そんな言葉を言えたら良かった
良かったなぁ…
受け入れられない事も
きっと、今なら…
大丈夫
心の中でつぶやく
笑って言える
「おめでとう」
笑えてる
苦しくない
花嫁から受け取ったブーケだけが
私をこの地獄に引き留める
一筋の光のような物
「おめでとう」
花嫁が言ってくれる
「ありがとう」
笑って返す
大丈夫
大丈夫
光はまだ此処にある