冒険!冒険!!冒険!!!
心の踊る単語だ。私が昔から大好きなことの一つ。
つまらないとき、さみしいとき、心が世界から逃げたがっているとき。
いわゆるファンタジー世界での冒険を思い浮かべては、何度も旅をしていた。
勇者の私は商店街で魔法の道具を手に入れ、星が降り注ぐ湖の上を歩き、雲の中に隠された扉を見つける。
最近はしなくなってしまったから、もはや私は引きこもり勇者だけど、もう一度冒険に行くのも楽しそうだ。
さあ、出発しよう。
もう少しだ。
もう少しだけ、手を伸ばしたら、
届く。
どこにもいかないでくれ、
いつも目に付く場所にいてほしい。
近くにいてくれないと、
すごく不安になってしまうんだ。
お願い、こっちに来て。
そう思って、さらに手を伸ばす。
「届いて……」
僕の呼びかけも虚しく、テレビのリモコンは、何食わぬ顔で鎮座している。
あの日の景色なんて、たくさん思いつく。
それだけ思い出がつくれたことが嬉しい。
今日は七夕。
願い事は「健康第一」とでもしておくか。
いや、もちろんそれも大事だけど、もう少し夢を見させてほしい。まだ子供でいたいから。
織姫と彦星に叶えてほしいわけじゃない。
ただ、私の願いを聞いてほしい。
そのために必死で毎日を過ごしているから。
私の願いは
あれは8月のことだった。
私は親友と、海に行った。
青春ごっこをしたかったのだ。
けれども天気は全くの曇り。
そのくせ、むしむしと暑く、まったく青春とはほど遠かった。
靴下を脱いで、足まで浸かった。
海なんて久しぶりだったから、波の圧力が結構強いことに驚きながら、親友と波を蹴って遊んだ。
ぱしゃぱしゃ波と戯れたり、写真を撮ったり。
なんだか青春の真ん中にいるようで、嬉しくなって二人ではしゃいだ。
そのうち暑さにやられて逃げ帰ったけど、拾ってきた貝殻も、写真も、思い出も、すべて残っている。
もう一度海に行ったら、あのときのことを鮮明に思い出せるか、試してみよう。
波音に耳を澄ませて。