#秋風
カラフルを連れて
秋の風
熱に浮かされた心
覚ますように吹き荒れる
それでも
私を取り巻く世界は
燃えたつように鮮やかで
儚さと危うさをそっと隠しながら
あなたとの時間を染めてゆく
やがて巡る季節がまた
私の世界の色を変えること
秋の風は歌うように
流れてゆく
#また会いましょう
たくさんのものを抱えすぎたわ
言えない言葉がどんどん
心の中に積もっていったの
好きが嫌いに変えられなくて
嫌いが憎しみに変わっていった
そんな自分が悲しくて
そんなあなたが哀しくて
目を閉じて耳を塞いで
声を失くした
心から笑い合えないなら
こんな自分が許せないから
私はここから消えようと思った
憎しみが私を変えてしまう前に
だからサヨナラ
また会いましょう
自分を迎えに行くだけだから
また会いましょう
昔話と笑える日まで
ここは2人の居場所じゃなかった
#スリル
退屈だったんだ
嫌気がさしてたんだ
黙って言うことさえ聞いてれば
相手はニコニコしてくれてる
揉めなければ自分さえ黙ってれば
今日一日は平穏でいられる…なんてね
心の中に刃物を隠した
言葉を封じ込めて無言という毒を
手に入れた
いつ私を見破るの?
私のバケの皮を剥ぐのは誰?
あなた?
言葉の駆け引きに飲み込まれないよう
あなたに心を許してしまわないように
今日も恋の駆け引きは続く
惚れたりしないなんて
崖っぷちの思い飲み込まれないよう
今夜も薄明かりの中
サヨナラを背中に隠して
あなたが待つ場所へ奔る
#飛べない翼
空ばかり見てた
見上げることしかできないと
思ってた
本当は翼を持っていたのに
翼のあることすら
気づかずにいたんだ
その使い方も知らない
それでも憧れは消えない
広い世界を求める心は止められない
たとえ飛べない翼を持っていたとしても
大きく広げて風を受け止め
風をおこすことはできる
自分を包むこともできるはず
飛べない翼はそれでも
翼なのだから
そう気づいた時から自分の
世界は変わって行くんだ
#ススキ
荒れ野を吹き抜ける風
時の記憶をのせ
揺れる枯れ穂波
茜の空に明日を祈ろう
やがて月の雫が
置き去りにした虚しさをはらう
ススキノも揺れて
明日の風にうたう