#半袖
雲の裂け目から
太陽が光の矢を射る
ありふれた景色が
少し煌めいて見える朝
風さえ心震わせる
季節が色を変えてゆくように
僕らの世界も少しずつ
変わっていくんだね
ふとしたことがすごく気になって
小さなことに戸惑うんだ
誰かと笑い合うキミ
遠くを見つめる横顔
白いシャツからのぞく腕
風に揺れるスカート
夏の魔法にかかった僕は
何故キミの周りだけ眩しく見える
そんな思いに気づいてしまった
#天国と地獄
迷いこんでしまったの
あなたを探しに行こうって…
甘い夢ばかり見て
それよりも怖い
甘い罠のことなんて忘れてた
堕ちてゆくのも快感だなんて
とんだ口車に乗せられてさ
馬鹿だね
それでも好きになっちまったんだもの
天国だってさ 地獄だってね
今のワタシには
あなたしか見えやしないんだから
#月に願いを
欠けては満ち
満ちては欠ける
月の明かり
太陽の下、言葉に出来なかった思い
ひとり夜空見上げ呟けば
いつかは届くような気がして
いつかは眩い光の中で
声に出せる…
そんな気がして
朧気に霞む月にさえ
鮮やかに浮かぶキミの微笑み
#降り止まない雨
長い長い夜だった
孤独の淵で
闇に呑まれそう心抱えて
沈黙を破れなくて
呼吸することすら鬱陶しくて
窓をつたう雨
全ての音を掻き消すほどの雨
醜いわたしの心を
優しすぎたキミとの思い出を
流し去ってくれたなら
私たちの明日は
報われるのに…
#あの頃の私へ
大人ぶってても子供だったんだ
自分さえ我慢出来れば…とか
誰かが泣かないですむのならなんて
悲劇のヒロインになって
あなたの幸せを祈ろうだって
とんだ茶番劇
笑えもしない
欲しいモノをどうして素直に
欲しいと言わない
幸せになりたいと言いながら
幸せを手放した愚か者
そして自分を
そして自分の周りの全てを傷つけてきた
心だけ置いてけぼりにして…
あの頃の私
わたしがわたしでいられた
そしてわたしがわたしを捨てた
遠く恋しい時間