※閲覧注意※
幼馴染シリーズ
【バレンタイン】
甘い物が苦手なあなたに、何を用意しよう。
普段からの感謝の気持ちは、溢れるほど伝えたくて。
伝えきれない想いも、形にできない気持ちも、言葉にしがたい募るものも。
零れ落ちていく何かを手繰っては、掬い上げようと藻掻いている。
「はぁ…。どうしようかな。」
この困惑さえ愛おしく、悩ましいほどに悩まされるのが、酷く苦しくも嬉しくて、あなたで満たされている様な気持ちになるのが、不思議と心地良い。
「良い性格してるよなぁ、オレ。」
ひとつ苦笑いを零して、愛おしいあなたを想う。ただ、喜ぶあなたを見ていたいのだ。
「待ってて」
焦る、走る、止まる、息を切らす。
「もう少し休みたい。」
「早く動いた方が良いよ。」
「まだ何も解決してないでしょ。」
「ちょっと焦りすぎじゃないかな。」
すべてが私で、どれもが私。
私が、わたしらしく生きていけるように、もう少しだけ。
待ってて欲しい。
「伝えたい」
はっきりくっきり明確で明解に。
「―――。」
言葉が出て来ないのだ。
頭の中には、心の内には、残酷な程の冷たい言葉が浮かんでいるのに。
(それを言っちゃぁ、おしめぇよ。)
それは良心の呵責なのか、品性を貶めない為の矜持なのか。
相手は、残酷な程に躊躇なく、こちらを踏み躙ってくるのに。
「どうして何も言わないのか?黙っていては解らない。何故解決策もなしに相談してくるのか。言っている意味が分からない。」
ドヤ顔で偉そうにニヤニヤと嗤う小男を遠い目で眺めた。
身体の真ん中に風穴が空いたみたいだった。
報連相って、何なんですかね。
自分の手に負えない、解決できないから相談したのに?
(てめぇで、なんとかしろよ。)
きっと、言っても言わなくても、答えは決まっていた。
きっと、私はただズタボロにされる為に誂えられた、人柱だったのだ。
「花束」
それは、誰かを想って贈られるもの。
綺麗な花も、大きな花も、小さな花も。
素敵な意匠を凝らして、まとめられていく。
時に美しく、時に華やかに、時に溢れる想いを形創る。
想いの形は、きっと様々で、その先の想いも色々なのだと想う。
ときめきも、愛おしさも、感謝も。
色々な想いを載せて、まとめられた花束。
花束を渡される人に、想いが届きますように。
以下、要らん恨み節な蛇足。
『邪魔になりそうだったので、持ってこようか迷ったんだけど、辞めて置きました!』
って、言われて、無いわぁ~。
って、なったの、良い思い出(笑)。
懐かしいな。
それ、『安上がりでラッキー!』って言ったのと、同意ぞ?って言うヤツよね(笑)。
「へぇ、そうなんだ。私は欲しかったけどね。」だけで済ませたワイ、偉かったわ。
はい、解散!
「時計の針」
きっちりと正確に刻まれていく時計の針。
少しだけ遅れたり、速くなったりして、
わたしの呼吸が付いていく。
秒針の音が苦手なわたし。
緊張で鼓動が速くなれば、ゆっくりと。
駆け出した後は、疾く速く。
さぁ、前へ。